雲の、流れが早い。
よく見えないくせに。
暖房の、不自然なあたたかさで、目が覚めて。
おぼろげな夢を、頭が勝手に、思い出そうとする。
思い出さなくていい。
思い出してよかった夢はないから。
クマがあるのか、そこを指先でなぞるアルネ。
ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。
眠たくないのに、眠い気がする。
のは、外に出ないせいもあるのかな。
ようやく、明るいのにも慣れてきたころだけど。
まだ、明るいのがだめだったときの気持ちが、浮かんでくるようで。
空も晴れ上がったかと思えば、またすぐに暗くなってしまったり。
ぼくの気分も、ぐらぐらしている。
体が、あたたまってきた。
雲の流れは、変わらず早い。
でも。
今朝は、昨日の朝より、少しだけ寒くない。
そんな気がした。