ぼんやりしていた。
ぼんやりするのは、いつものことのはずだけど。
寝不足だったのは、昨日だったはずだけど。
夜ふかしをしたのは、一昨日だったはずだけど。
ぼくは、変わらず、懲りずに、ぼんやりしていた。
眠たいのかもしれない。
わからない。
アルネは、肩をすくめて、呆れたような顔を見せた。
ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。
ぼんやりと、ふらふらとしながら、台所へ。
五徳の上の鉄瓶、の中の水分は、蒸発しきっている。
じゃあ、大丈夫か。
水を注いで、火にかける。
沸騰する手前まで、またぼんやりする。
アルネは、それをじっと見つめている。
晴れだと、頭痛はしないから。
これ以上、ぼんやりしなくて済むから。
きっと。
ぼんやりするのも、好きだけど。
今日は、外に出たいから。
湯冷ましになったそれを、飲み干した。