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浮かれている、ってだけの話

デカフェの豆を焼いた。


のが、3日前。


試飲した昨日の時点では、2日前。


なので、試飲するには、ちと早い。いや、べつにしてもいいのだけど。


(コーヒー豆は、焙煎した直後のものは、おいしくないわけじゃないけど、日を置いた方がいい。)


夜に、コーヒーは飲まない。


ぼくが、カフェインに滅法弱いから。


(眠れないのもあるけど、動悸や、気分の落ち込みがひどくなる。)


ので、デカフェ(カフェイン含有率が低いもの)を焙煎してみても、いいんじゃないかと。


焙煎してから、日は浅いとはいえ、ほどほどにおいしかった。「ほどほどに」というのは、まだ味が前に出ていない感じがあったから。


ぼくは、メモした。


「蜜の入ったくだもの」
「後味にお花」


お客さんに提供するときは、わかりやすいのがよかろうと、メニューに味のイメージも書いている。


が、これだと、わかりやすいどころか、迷宮入りしそうだ。


でも、ぼくが気に入ってしまったのだから、しょうがない。


今度、平日に、夜にレンタルスペースを借りて、出店する。


ぼくの珈琲屋としての名前は、「台所珈琲 月と齢」。


夜らしい名前なので、夜にコーヒーを提供してみたかった。


いつも通り、緊張はしているけど、楽しみでもある。


お客さん、来るかなあ……。


……これ、アイスコーヒーにしても、充分おいしいな。


と思いながら、件のデカフェのコーヒーを飲んだ。


学校の授業は好きになれなかったけど、好きなことを勉強するのは、楽しい。


そういえば、何ヶ月か前に、べつのデカフェの豆を焼いたことがある。あれは、好きになれない味だった。


まあ、豆が悪いというか、ぼくの焼き方が悪かったんだろうけど。


これは、おいしいね。


通常のコーヒーには、カフェインが入っている。


ので、そこからカフェインを抜いたデカフェには、それ相応の工程を通過している。


ゆえに、おいしくないんじゃないかと、敬遠する人もいる。


ぼくは思う。豆によると。


それはそう、と思うんだけど。


コーヒーに限らず、なんでも十把一絡げにする人を見ると、なんというか、もったいなく思う。


おいしいものはおいしいし、おいしくないものはおいしくない。


それすら、人による。


それだけの話。


ただ、好きなものは、たくさんあった方が楽しい、というか、救われることが多いよ、と思う。


なんの話だっけ。


とにかく、近ごろのぼくは、少し荒れていたけど、楽しみを思い出すくらいには、元気になった。


忘れもの、しないといいな。と思った。浮かれているからね。

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