珈琲屋になったり、珈琲屋を訪ねたりする日
あらすじ:珈琲屋として珈琲を淹れて、夜は珈琲屋に珈琲を淹れてもらった。
ぼくは、自称珈琲屋。
いや、もちろん営業許可を取っているので、自称じゃなくていいと思うんだけど、あんまり出店していないし、なんか、自信がなくて。
(店舗を持っていないので、どこかのお店の隅をお借りする。ときどき。)
とはいえ、お客さんにはそんなことは関係なく、自信を持っているようにふるまう。
ただ、接客である以上、珈琲を淹れているだけにはいかないので、多少は会話する。
本当に多少。あと、昨日はなぜか、ものすごく噛むことが多かった。
まあ、無理になにかを話そうとしなくてもいいかもしれないのだけど。
(友人の珈琲屋も、そんなことを言っていた。)
経験が積んでいけば、なんか、自然に会話できるようになるんだろうか。
とりあえずは、いいか。珈琲をちゃんと淹れさえすれば。
出店場所によるけど、大抵は知らない人を相手にするので、自分というものは奥に引っ込めて、愛想よくする。上手くできているか、わからないけど。
だから、終わったあとは大体、変な感じにハイになる。
大人しくしていた分が、爆発するというか。
幸い、昨日は友人も何人か来てくれたので、奥にしまっている自分を、ときどき出したりしてあげた。ので、気分もそこまで変にはならなかった。
夜は、知り合いの珈琲屋を訪ねた。そこには、他の知り合いも集まっていたりする。
知人の珈琲はそもそもおいしいのだけど、自分以外に珈琲を淹れ続けたあとだと、より自分以外が淹れた珈琲は沁みる。
(自分でも、書いていてよくわからなくなってきた。)
夜中にカフェインを摂ったものの、気分は穏やかだった。
とにかく、次にぼくが珈琲屋になるのは、早くて再来月だ。引っ越しを終えたあと。
感慨は、特にない。一軒家を借りるから、そっちの方が、荷物を車につめるのが楽になるかなあ、とか。今は、アパートの階段を上り下りしないといけないから。
引っ越しまで、1ヶ月を切ったんだなあ、と思う。しばらく、寝込んでいたこともあったけど、だいぶ元気になったから、今週からまた、準備を進めていく。
次に珈琲屋になるときには、ブレンドを完成させておきたいな。どうだろう。できるかな。
その日のぼくは、よく眠れた。変な夢しか見なかった。
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