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こんな日でも、悪夢が足を引っ張って

午前になにをしていたのか、思い出せない日が、よくある。


昨日も、そんな日だったのだけど、そういえば、受診日だった。「そういえば」は、「そういえば、行ったんだった」の「そういえば」なので、受診はちゃんとしました。


とりあえず、不眠が改善したことを報告。近況報告は、それくらい。


最後に、「年末年始は鬼門ですか」と主治医に訊かれる。ぼくの親が、ぼくのところへ来るんじゃないか。そんな、ぼくの不安を煽るもの。主治医に、そんなつもりはなかったんだろうけど。


去年のことを思い出す。


今後一切、ぼくに直接連絡をしてくるな。どうしても連絡したいなら、パートナーを介するように。そう、取り決めして、あちらも、しばらくそれを守っていたのに。


去年の年末年始、母親が突然、ぼくに直接連絡してきた。それは、悪意のないメッセージだったけれど。なおさら、腹が立った。


取り決めを無視されたこと。ぼくがどんな風に考えていようと、すべて、子どもの一時の気まぐれだと思われていること。それらが、凝縮されたような。


それからぼくは、ラインをブロックした。母親も、恨みはないけれど兄妹も。連絡を取らないとはいえ、ブロックまでしないのが、ぼくのなけなしの良心だったのに。父親は、いの一番にしねばいいと思っているから、すでにブロックしていたけれど。


去年といえば、盆辺りに、叔母が突然ぼくにSMSを寄こしたこともある。着信まであって。


それは、兄妹は帰省しているのに、ぼくがいなかったことによるものだったけれど。ぼくはそのとき、叔母に折り返し連絡するまで、ただただ疑心暗鬼になった。親が、いよいよ親戚にまで、ぼくのことを言いふらしたんだと。


後になって考えてみれば、世間体を気にする親が、そんなことをするはずがないんだけど。今後、着信もSMSも残されていたとしても、二度と気にするものか、と思った。


30年近く生きていて、やっと手に入れた平穏。なんで邪魔しようとするんだ。なんで。話題に出るな。夢にも出るな。ましてや、現実に侵食しようとしてくるな。お前らがいないからこそ、ぼくは今平和なんだ。二度と出てくるな。二度と。


息を吐くと、白い。室内なのに。今日は、クリスマスイブだ。世間的には、幸せな日。それなのに、こんな日でも、ぼくの足を、悪夢が引っ張っている。

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