『五月その他の短篇』と、語呂合わせの日
まだ読み終えていないけど、『五月その他の短篇』は、帯に書かれた通りの本であるらしかった。
「どこにでもいそうな愛すべき人々の、どこにもなさそうな12か月の物語」
どの短篇も、どこにでもありそうな、ありふれた物語のはずなのに、緻密な描写であったり、もしくは、言い回しなどで、特別な物語に仕上がっている、と思った。
特別じゃない日は、一日もない。という、ありきたりな文句を、見事に書き上げているような。
ぼくは、本の感想を書くのが苦手だ、と改めて思った。
『五月その他の短篇』は、先日の結婚記念日に、パートナーがプレゼントしてくれたものだ。
(タイトル自体は、ぼくがリクエストしたものではあるけど。)
本をもらって、一週間くらいが経って、一昨日ようやく読み始めた。
ぼくとパートナーは、パートナーが休みの日に、よくカフェに行く。
大抵は、二人揃って、本を読むことが多い。
なんとなく、そのときに読み始めるのがいいと、思ったのだった。
ぼくは、結婚した今でも、ひとりでいるのが好きで。
自分を中心にしか物事を考えられないと、思っているけど。
でも。
パートナーが好きそうな本を偶然見つけて、それをプレゼントしたいとか。
昨日のような、「いい夫婦の日」とか、こじつけの語呂合わせの日に、何かしたいを思えたり。
パートナーがいなくても、パートナーを想ったり、自分より優先したくなったり。
そんなときに、ぼくは、ちゃんとパートナーを、伴侶として考えているのだと、安心できる。
ときどき、不安になるから。
ぼくのような人間が、だれかと生活することが出来ているのか。
それでも、まったく問題はなかった、と言えないにしろ、結婚して5年目に入った。自分でも、驚いている。
もしかしたら、不安なままでいた方がいいのかな。自分を顧みるきっかけにはなる。
パートナーさえ無事でいればいい、という思いも抱えつつ。
昨日は、夕食にハンバーグとポテトサラダを作った。
喜んでくれたので、よかった。
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