私的な聖地巡礼、あと愉快
5月の終わり。
の、前の日。
ぼくとパートナーは、名古屋へ。
ぼくは、東海の方へ行くのははじめて。パートナーにとっては、学生時代を過ごした土地。
バスや新幹線を乗り継ぎ、約4時間。
新幹線で、クリスティの『オリエント急行の殺人』を読もうと思ったけど、思ったより揺れるので、前置きで力尽きた。
昼すぎに、名古屋到着。
名古屋といえば、デニーズ。
というわけでは、もちろんなく、パートナーにとっての思い出の場所。
学生時代、夜行バスで実家から名古屋駅まで戻ったとき、早朝から開いているデニーズに、よく寄っていたそうな。
ぼくにとって、デニーズは、ぼくの学生時代から、行ってみたかった場所。
当時、穂村弘の『求愛瞳孔反射』に収録されている『デニーズ・ラヴ』を読んで以来、なんとなしに憧れを抱いていた。
20年以上前の詩なので、作中に登場するメニューは、すべて無くなっていたけど。
それぞれ、おいしいものを頼んだ。
ホテルにチェックインする。いいホテル。ぼくにとってのいいホテルは、それなりに余白があって、もの書きしやすい、広い机があること。
いくつかの駅を越えて、数日前に知人におすすめしてもらった本屋へ。
ぼくにとってももちろん、パートナーにとっても好みの本だらけで、至福。
だんだん読書の沼に浸かり始めているパートナー、お買い上げ点数がはじめてぼくを越す。
下調べはしていなかったけど、同じビル内に、いい雰囲気のカフェを発見する。
短縮営業になっていて、閉店まで残り30分だった。
テイクアウトはできるらしいので、コーヒーを注文した。
近くの公園で、一休みする。
小学生くらいの男の子が、なにか踊っている様を、お母さん(だと思われる女性)が撮影している。
洗練されている動きを見ている内に、それはダンスじゃなく、パルクールじゃないかと気付く。
パートナーは惚れ惚れとして、「足が速いより格好いいよ」と感嘆する。ぼくは軽くたしなめる。過去に何があったのか。
その公園は、東山動植物園の付近にある公園だった。
すでに閉園していたけど、せっかくなので、入り口まで行ってみる。
東山動植物園は、堀江敏幸氏が中学生(高校生?)のころに、よく通っていたらしい。『バン・マリーへの手紙』より。
2日後に、また行くことにする。
帰りの電車内で、北海道のどこかの景色を映したポスターを見つける。社名か何かが書いてあったらしい部分は、白く塗りつぶされていた。
穂村弘に、堀江敏幸に、そしてパートナー。ぼくの聖地巡礼。
ちなみに、今回の旅行のメインは今日。主に、パートナーの。
今日は、どんな顔をするのか、楽しみだ。
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