目を覚ましたとて、夢うつつ
昨日は、こんこんと眠っていた。
こんこんと、こんこんと。
一昨日の夜、ずいぶん遅くまで、友人達と会っていたから。
相手が誰であれ、人と会うこと自体、疲れやすいぼくだけど。
友人達は、いろんなことに偏見がない、というか。
どんなに会話しても、息がしにくくなることはなかった。
末永く付き合っていきたいところ。
名目としては、珈琲を持ち寄ったり、淹れ合ったりする会だった。
ので、日付を回ってから帰宅したぼくは、眠れるはずがなかった。
カフェインをたくさん、しかも夜に摂取したので。
だから、眠くなるまで、短歌を詠んでいた。
SNSに投稿する短歌をしたためるのは、朝の習慣だけど、まあ、起きられないだろうし。
夜更けの歌は、ほんの少しだけ、毛色が違って見えた。
カフェインが抜けたわけではなかったけど、いい具合に頭が疲れたのか、その後、ぼくは眠ることができた。
目が覚めているのか、いないのか、さまよいながら、気付けば午後になろうとしていた。
しなければならない、というより、しておかないと不安に付きまとわれる用を、優先して済ませた。
珈琲屋を始めるまで、一週間を切った。
業務用スーパーで、スティックシュガーやフレッシュミルクの在庫を確認した。明日か明後日には、買いに行こうと。
その日、珈琲は飲まなかった。カフェインを抜きたかったから。
夕方が近くなって、ぼくはまた、猛烈な眠気に襲われた。
用は大体済ませていたから、そのまま眠気に従った。
夢も見なかった。
スマホの着信で叩き起こされたときは、夜としか言えない時間になっていた。
眠気と疲れが混ざり合って、ずいぶん重たい頭だった。
パートナーが帰ってから、アパートから歩いて行ける距離にある店へ行った。
はじめて行く店だったけど、客は近所に住んでいる常連がほとんど、のような店だった。
小さなヘラでお好み焼きを切り分けていると、なんというか、頭が少しずつ現実に戻ってくるのを感じた。
店内は冷房がなく、余計に、店外へ出たときの涼しさが身に染みた。
気温も湿度も低く、喜ばしいはずなのに、あまりにも変化が急なので、肌が居心地の悪さを感じていた。
自宅の温度・湿度計は、それなりに正確なのに、数値は変わらず乱高下している。
おかしいのは、本当に、天候の方らしい。
これも、自然というより、人間のせいなのかね。
その夜も、ぼくは眠った。
中途覚醒もなく、朝まで。
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