嫌だ、嫌だ、嫌だ、

悪くない夢だったのに、目を覚ます直前で、最低最悪の夢になった。突然、知らないおばさんに、ぼくがぼくの父親を嫌っていることを、批判された。言い返すぼくは、なぜか声が出なかった。夢の中では、声を出したいときに限って、まったく出ない。そういえば、逃げたいときも、上手く走れない。


昨日は、いい日だったと自分でも思うのに。自分で自分を台無しにしている。二度と会いたくない人間は山ほどいる。父親はその筆頭だ。親だと思いたくない。誰のせいで、「こんな」人間になったと思っているんだ。誰のせいで。そのくせ、本人は自分がいい人間だと思い込んでいる。ぼくが「こんな」風になったのは、ぼくだけのせいだと思っている。誰のせいで。しんでしまえ、あんな奴。


薬を飲み続けたところで、いくらカウンセリングをしたところで（もう止めてしまったけど）親が生きている限り、癒えるものも癒えない。もし、遭遇したら。実際に、以前遭遇しかけたことがある。ぼくは気付いて、あちらは気付かなかった。視界に入っただけで、全身の血の気が引いて、足がすくんだ。それでも、なんとか逃げ出した。


話したいことは、一切ない。もう疲れた。そもそも、まともに話を聞いてくれたことがなかった。そのくせ、ぼくには散々愚痴を聞かせていた。子どもには、不機嫌を表に出すな、と躾けていたのに、本人は自分を棚に上げて、家族に気を遣わせていることも知らずにいた。ようやく、ぼくが勇気を振り絞って、今まで話せなかったことを言えば、「なんで言わなかったの？」お前らが言わせないようにしていたんだろ。ふざけんな。


今後の連絡は、必ずパートナーを通すと決まったのに、平然とぼくに直接連絡が来たときも腹が立った。子どもがちょっと拗ねている、くらいにしか思っていないのか。お前らは。大したことないことで、取るに足りないことで、なぜか怒っているんだ。のうのうと顔を見せやがったら、絶対ころしてやる。ころしてやるからな。


どうして、朝からこんな気持ちにならないといけないんだろう。薬を飲んでも、親しい人ができても、根本が解決しない限り、一生苦しまないといけないのか。憎い気持ちを吐き出したり、抑え込まないといけないのか。苦しい。早くしねばいいのに。ぼくが。