自分のせいじゃないことを、自分のせいのように扱われること。
何年か前は、よくあったことだけど。
しばらくなかったから、ずいぶんこたえた。
5年以上住んだアパートを離れて、新しく生活が始まる、はずの家。
住み始めて、たった数日のこと、かもしれないけど。
ぼくはもう、疲れてしまったのかもしれない。
アルネは、ぼくの顔を覗き込んで、隈をそっと撫でた。
ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。
白湯は、毎朝沸かしている。
水があたたまって、その内、鉄瓶は音を立て始めて。
ぼくはそれを、じっと見ている。
まるで、祈りのように。
不安はまだ、いくらでもあるけど。
わずかでも、下ろすことのできる時間があるなら。
大丈夫かな。
そう思えた。