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行ったり来たり、ゆらゆらゆらゆら

ぼくは、とにかく、血の気が引かないようにした。


自律神経が狂いに狂っているぼくは、食事をするだけで、ふらふらする。


とはいえ、なるべく3食を摂ろうとしているぼくは、まったく食べないわけにもいかない。


(食べないなら食べないで、動けなくなるのだし。)


食欲もないし、朝も昼も、粗食と言えるくらいの量にしておいた。


そのおかげか、少なくとも食後は、しにそうにならずに済んだ。


ただ、昼から夕方にかけての時間に、覚えのある感覚があった。


ゆっくりではあるけど、頭から血の気が引いていく。


たぶん、食事だけの問題じゃないんだろう。


ぼくは朝から、休みを挟みながら、珈琲豆の焙煎の準備をしていた。生の豆を、いいのと悪いのに選り分けたりとか、そういう。


いつもより調子がいいとはいえ、少し横になった方がよさそうだった。


でも、2階はうだるような暑さ。


前日の予報だと、30℃を越えるらしかったけど、越えたんだろうか。


(1階は、常に日陰だから、比較的涼しい。エアコンは点けていたけど。)


サーキュレーターを使って、なんとか1階の涼しさを、2階に送り込めないものか試みる。


ほとんど無駄足に終わった。


換気をしたりして、ぬるいのはぬるいけど、横になっても問題ないくらいの室温になってから、横になった。


冷感マットで、そこまで不快にならずに済んだ。眠れはしなかったけど、それでよかったのかもしれない。


1時間くらいじっとして、起き上がれるくらいにはなった。まだ、多少ふらつくけど。


焙煎機を組み立てて、カセットコンロの上に乗せ、火にかける。焙煎の前準備。


火力が強めなので、熱いのか暑いのか。でも、1階の空気は冷えているから、そこまでは。


焙煎を終え、片付けも終え、それからのぼくは、ぼんやりした。


しばらくぼんやりして、新聞紙が切れたので、近所のコンビニまで買いに行った。(新聞は読まない。新聞紙は色々なことに使う。)


ついでに、野菜ジュースを買う。買ったばかりなのに、ぬるい。


店内には、七夕のための笹が飾ってあった。まだ先だけど、すでに何枚か短冊が吊してあった。


「あいどるになりたい」があって、少し頬が緩んだ。


園児なのか小学生なのか、わからないけど、手放しに夢を見ることの出来る環境にいるのだと思った。もう少し大きくなるまでは、そのままでいてほしい。


子どもが気を遣うような世界になってほしくないな、と思いながら、またぼんやりしながら帰る。


……。


遣っている子は、遣っているか。ぼくみたいな、もしくは、ぼく以上に。


帰ると、床に座り込んだまま、ジュースを飲み干した。

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