ふいに、目が覚めて。
まだ、早すぎる時間かと思って。
でも、時計を見れば、早朝と言えるにしても、早すぎることも遅すぎることもない時間だった。
まだ眠たいような、もしくは、一切眠たくないような。
重さのよくわからない瞼。
肩をすくめて、アルネは小さく笑う。
ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。
豆は、どれがいいかな。と思い、今朝は、友人からもらった豆にした。きっと、牛乳とも相性がいいことだろう。
豆を挽いている内に、本当に目が覚めていることが、だんだん実感できるような気がした。
牛乳をあたためている鍋の上で、軽く手をかざす。あたたかい。
目を開けて、閉じて、開けて。
ようやく、瞼が軽いことになじんできた。
アルネがそう言ってくれるなら、いい日になるだろう。
ぼくは、残りのカフェオレを飲み干した。