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「自分を責めない、いい日だったと思う。」

早起きできた日だった。


早めに朝食を食べることができた日だった。


早い時間から、コーヒー豆の焙煎ができた日だった。


ぼくにしては、とても珍しく、いい滑り出しをした日だった。


昼食は、2食分くらい食べた。


少し前まで食欲がなかった反動なのか、ここ数日、食欲がものすごくあったり、もしくは、やっぱりなかったりする。


過食が始まりそうで、怖い。いつも、そうだから。


洗濯も済ませると、昼すぎくらいだった。


ぼくは悩んだ。運転の練習をしに行くか、どうか。


(5、6年ぶりに運転を再開して、3回目。)


練習といっても、目的地のある、ただのドライブだけど。


一応、運転していい、とは言われているから。かかりつけ医や薬剤師に。


20分くらいかかるけど、先日も車でそこまで行った図書館にした。(そのときは、助手席にパートナーがいた。)


ただ、出かけるかどうかで、まごついた。


そういえば、日曜日だ。


どこへ行っても、人が多いかもしれない。


……。


まあ、半端な時間だし、少なくとも、運転に不安が出るような時間帯じゃないだろう。


なのでぼくは、運転席に座った。


足元にないサイドブレーキを踏もうとした。


昔、乗っていた車はそうだったから、エンジンをかけるか止めるかするときに、まだやってしまう。


緊張はしているけど、冷静でもある、という変な状況だった。幸い、何事もなく目的地に着いた。


(駐車には苦労した。ぼくは、駐車が一番苦手。)


図書館の、申し込み制の自習スペースで、持ってきた本を開いた。


(ちなみに、なぜか先客がいた。スマホで(スピーカーで)動画を見ている学生。使えないので、職員さんに言ってみた。追い出されていた。)


パーテイションがあって落ち着くのと、利用時間は2時間と決められているから、むしろ集中するのとで、捗った。


帰る前に、付近にある珈琲屋(かつ知り合い)のところへ寄った。


(そこでも、駐車に苦労した。駐車場が広くても狭くても、苦労する。)


「本日のコーヒー」を注文して、お喋り好きの店主と少し話す。


酸味が絶妙でおいしい、ようなことを話すと、そこに力を入れた、と熱弁された。自分の舌に自信がないので、少し嬉しい。


帰り道、交通量は多くなっていて、無意識にハンドルを強めに握っていた。手汗をかいている。それでも、どこか頭は冷静で。頭と体が別物みたいだった。


自宅の駐車場は、唯一緊張しない駐車場。


早起きできたし、焙煎できたし、運転もできた。


自分を責めない、いい日だったと思う。

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相地
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