不安を潰すために、今日のぼくも
そういえば、最近本を読んでいないな、と思う。
まったく読んでいないわけじゃない、と思う。
でも、読んだときも、5分も目を通していない、と思う。
全部の思考に、「と思う。」が付く。
準備を進めている珈琲屋以外のことは、なんというか、靄がかかっている。
しなければならないことがあると、ぼくは、そちらにばかり気を取られる。
日程に追われているわけじゃない。
ただ、募っていく不安を潰すために、躍起になっているだけ。
目を閉じても、開いていても、頭の中は、TODOリストに支配されている。
3日くらい前から、ついに、夢にまで侵食してきた。つまり、夢の中でも珈琲屋のことを考えていたり。いつもは、荒唐無稽なものばかりなのに。ずいぶん、現実的な夢を見るようになった。
安寧はいずこ。
季節が季節だから、熱にも湿気にも弱いぼくは、いつにもまして、食欲も体力も落ちる。
よりによって、より体力が必要で、より食事を摂らなければならない時期に。
VAPEの蒸気が、少し冷たく感じる。
心配事が増える度、TODOリストの項目も増える。出来る範囲で、一つ一つこなしていく。不安も、一つ一つ消えてくれたらいいのだけど。そんな、うまくは出来ていないようで。
ただでさえ、珈琲屋のことがなくても、ぼくは良質な眠りとはほど遠いのに。
不安で不安で疲れるなら、せめて、よく眠れたらいいのに。
たとえ、どんなに眠っても、疲れることばかりだ。
でも、きっと、じゃなく、確実に、数年前より、ずっとましなんだと思う。
大げさじゃなく、ぼくの味方は、一人もいなかった。
そんなぼくが、励まし、協力してくれる人達と知り合えた、とか。
今でも、ウソのように思う。
今がウソのよう、なのか、数年前がウソのよう、なのか。
この30年近くがウソだったら、珈琲屋は始めていないだろうな。
だからといって、あの地獄の日々に感謝、とかしんでもごめんだけど。
しんでくれていいのに、と思う人間は、たくさん。
話が逸れた。
とにかく、不安がひどくなっても、本格的に病んでしまうことがなさそうなのは、救いだ。
誰に言われるでもなく、自分で始めて、ペースも自分で決められる。少なくとも、今のところは。
今日のTODOリストは、もう出来ている。
先の不安を潰すために、今日のぼくも生きている。
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