なにもかも、吐き出した。
比喩じゃなく、本当に。
胃の中身を、全部。
自分でも、わからないけど。
ぼくは、大丈夫なのか、そうじゃないのか、自分でもわからないけれど、首をふっていた。
まだ、もどしながら、咳は続く。
落ち着いたころには、ずいぶん長い時間が経ったように思えた。
アルネは、首をかしげたまま、ぼくの顔を覗きこんだ。
ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。
なんだか、この数ヶ月、ケガをしたり、病気になってばかりだ。
治っては、またなにかに罹って。
そのくり返し。
まあ、なってしまったものは、しょうがない。
そう思えるようになっただけ、ましなのかな。
ぼくは、サンダルをひっかけた。