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「ぼくは今日、珈琲屋になります。」

毎日が新しい日だ。運が向けば言うことはない。とにかく正確な手順を守ることだ。加えて運が向けば、何もかもうまくいく。

ヘミングウェイ(訳:高見浩)『老人と海』p33

で、あってほしい本日。


珈琲屋として、はじめて人前で、珈琲を淹れる。


(店を構えたのではなく、知り合いの店を間借りさせてもらう。)


不安に不安を重ねていき、神経もだいぶすり減ったけれど、かえって今では眠れるようになった。それに、楽しみにもなってきた。


どんな感情で臨めばいいのか、わからない。


お客さんは、ほとんどが知り合い(であってほしい。初回なので。)とはいえ、お客さんであることに変わりはない。


もちろん、なにも知らない人が、ふらっと立ち寄る可能性も、充分ある。テイクアウトはしないので、申し訳ないけれど。(まれに、そんなお客さんも来店するらしい。)


珈琲を淹れるだけでいい、はずがないので、その辺りは、大丈夫なのかと。


考えても、きりがない。


昨日は、ずいぶんふらふらしていた。炎天下で。


ぼくには車がないので、どんな時期でも徒歩か自転車だ。どんな時期でも。


最後の買い出しを済ませ、銀行で釣り銭も用意した。


荷作りも、その日出来る分を終わらせた。


あとは、ホットコーヒーのレシピを、念のためにさらった。


珈琲屋の準備しか頭になかったので、日課の短歌を忘れるところだった。(その辺りは、今後も忘れないでおきたいところ。)


どんなに準備をして、念には念を入れたところで、予想外のことが起きるだろうとは、思っている。よくも悪くも。


ぼくは、予想外、というより、予定外に弱い。とても。


事が事なら、パニックになる。本当に、よほどのときだから、それはないと
信じたいけれど。信じたいときに限って、起きるからな。


もしパニックが起こったら、パートナーになんとか対応してもらうしかなくなる。それは、出来れば避けたいところ。


(車のないぼくは、車のあるパートナーに頼まないと、荷運びが出来ない。今回は、出店中も手伝ってもらう。ありがたい。)


結局のところ、心の準備なんて、出来るはずがないんだ。


だから、それに関しては、準備出来ないまま、臨むことにする。


緊張も不安も喜びも、ない交ぜにして。


ぼくは今日、珈琲屋になります。

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