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エピソード#11  看取りのための退院搬送はご本人、ご家族の笑顔がたくさん見られました


状態が不安定で、緊急な通院が必要となった方。
ケアマネージャーさんから前日に相談電話があり、私達も、心構えはありましたが、翌日にご家族から、緊急で通院させたいとの相談があり、スケジュール調整し、対応。
 
一階が店舗のため、普通の家よりも階段数が多く、急勾配で居室が2階。
御本人様はベッドに寝ており、便臭もあり、オムツ交換と着替えが必要な状態。
体調を観察しながら、オムツ交換と着替え介助をし、移送方法は布担架か、車椅子階段介助か悩みましたが、車椅子にはなんとか座れそうで移乗し、2名で車椅子階段介助。
ただ、病院までは距離もあり、普通の車椅子では座位保持困難と思い、リクライニング車椅子も積載していたので、1階でリクライニング車椅子へ移乗し、病院へ出発。
 
診察の結果、入院。入院の時点で、ご家族からは、「看取りとなったら、自宅に帰したい、その時は、またお願いします」と言われていました。
 
入院して数日後、ケアマネージャーさんが、急ピッチで、訪問診療、訪問看護、訪問入浴、福祉用具、とサービス調整をしてくださり、私達は、退院対応をさせていただきました。
ご状態的に、寝たままのストレッチャーでの搬送、布担架での介助が必要。
 
自宅に到着した時に、まだ車から降りる前に、ご利用者様が「ありがとう」と笑顔で言ってくださり、居室に行く前に、自分の長年の仕事場だった一階の事務所をぐるりと見渡されていました。「写真を撮りましょうか?」と、御本人樣とご家族様に伝えると、御本人樣は、さらに笑顔で「ありがとう」と答えてくださいました。
 
ご家族のスマホで、写真をパチリ。ご本人様は、ストレッチャーで寝たままでしたが、御本人様もご家族様も、素敵な笑顔でした。
 
ご家族様にもご協力していただいて、布担架で、2階の居室のベッドへ移乗。
「お帰りなさーい」と声掛けすると、「ただいまー、ありがとう〜」と満面の笑顔。
翌日には訪問入浴で入浴され、退院から2日後、虹の橋の向こうへ旅立たれました。
看取りのための退院搬送はご本人、ご家族の笑顔がたくさん見られました。
 
 

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