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すべてはうまくいっている

夏季のドイツは明るい。朝は4時台に明るくなり始めるし、家の東側にある寝室は最高に明るくて、私は日差しによってたいてい6時台には目を覚ます。

だけど、今日の私は朝の9時過ぎまで寝ていた。昨日の夜が遅かったからだ。昨日はひとりでStammtischスタムティッシュと呼ばれる場に参加してきた。言語交換目的で人が集まる場所。人見知りな私はいつも義務感で出かけて疲れていたけれど、昨日は最高に楽しかった。

そんな出来事のあった翌日に、「すべてはうまくいっている」という言葉を得た。本当にそうだと思ったから、ここのところの「すべてはうまくいっている」エピソードを書き出してみようと思う。

ここでいうところのこの言葉は、「願うことばかりが起きるようにコントロールをすることではない」「ただただ、うまくいっている流れに身を任せることだけを考える」ということ。最近よく聞いているSARAさんの配信で受けとった言葉。

この数日の私と出来事

私はベルリンに恋人と暮らしている。お互いが外国人である関係性には難しさもあるけれど、私はこんな関係性の存在を知ってから、恋人という間柄でのコミュニケーションというものに希望をもって暮らせるようになったと思う。

……という話は今回の本題とはズレるのでさておき、いま恋人は出張へ行っている。恋人はあまり先の予定を見通さない人なので、出張前の数日は急に家にずっといて、昨日は私をひとり残して出張へ出かけていった。

恋人が早めに予定を見立てて教えてくれる人なら、じゃあこの数日は休みだから一緒に旅行に行こうかとか、恋人がいないこの期間は私どこかに出かけてくるね、ということができたのかもしれない。ふたりで時間が取れることは貴重だし、逆に恋人が数日居ない時間も貴重だから。

でも、恋人はそんなふうに前もって予定を決めたり伝えたりすることが苦手。そのおかげで私は特に予定を立てることはなく、この1週間ほどをいつものように過ごした。いつものようにすでに決まっているお仕事をして、いつものように急に思いついた作業をする。

せっかく家に恋人がいるのなら、どこかに遠出したりもしたかったけど、私はお仕事を入れているからそうもいかない。でも実は、ふたりでショッピングモールに出かけた時間があった。恋人はプライベートではすんごくインドアなので、これすらもふだんは面倒がるけれど、こんなことが起きて出かけることになった。


というのは、私がいま勉強している占星術の講座で、テキストの印刷が必要だった。恋人のプリンターを借りて、すべて印刷をした。……はずだったのだけど、確かにすべて印刷はしたけれど、半分はミスをしてしまって、1枚に同じページが2つずつ印刷されるという変な形で印刷された。

こんなテキストじゃ嫌だ!となった私は、もう一度印刷しようとした。再印刷をかけた半分ほどが印刷されたところで、急にプリンターが止まる。インク切れだった。

でも、授業は明日の朝。きれいに印刷のできたテキストがないとすごく嫌だ!ということで、私たちは機嫌が悪くなりながらもショッピングモールへ出かけた。


ショッピングモールでは、恋人が調べてくれたインク屋に行ったけれど、うちのプリンターが古いので、合う型のインクが置かれていなかった。しょんぼりしながら電気屋にもいったけど、やっぱりない。そのままお店をうろうろとして、最近買ったSwitchのゲームソフトを見たり、恋人が好きなLEGOを見たりしているうちに、私たちの機嫌はよくなってきた。

せっかく来たからと買い物をして、せっかくまだ駐車場の時間があるからとふだんはあまりしない外食をする。アイスを買って食べて、マックを買って帰る。これって、私がしたかったことだなぁと思った。

私は家で仕事ができるから家にこもりっぱなし。恋人は外で仕事をするからプライベートでは家に居たい。ふたりで出かけることを計画しては実行しないことが続いていたここしばらくだったけど、プリンターのインクが無くなったおかげで強制的に外に出て、インクは見つからなかったけど突発的なデートができた。


帰り道、車でマックのポテトをつまみながら帰る私たち。車は最近手に入れたばかりで、こういう時間を恋人と過ごしたかったんだよなと嬉しくなった。

今日はデートだった、ありがとね。私たちふたりでベルリンで車に乗って、マック食べてるなんてすごいことだね。この車も車を見つけてくれたお母さんやお母さんの友達も、みんなありがたいね。

……なんて話しながら家に帰ってマックを食べた。時間は3〜4時頃だったけれど、この日は昼食を食べ忘れていたから、バーガー2つとポテト1つにジュース1つというこのセットは、私たちにちょうど都合が良かった。


流れに乗ること

こうしてこの日のことを書いてみると、もうそれは気持ちがいいほどに流れが完璧だと思う。

結局プリンターのインクが買えなかったといえばそうなのだけど、でもよくよく考えれば印刷自体は全ページできている。納得のいかない形ではあるけれど、板書ができるようには整っている。いったん今コース分の印刷ができているから、インクは1か月先までに手に入れば大丈夫。

ということは、ふたりで出かけたいけど難しい、外に出たくない恋人をその気にさせるのも億劫だと思っていた日程で、私たちはただ突発的にデートの時間を渡されたということになった。

これが流れに乗った、すべてはうまくいっているということなのだと思ったし、それでいえば昨日の私も完璧だった。


恋人が出張で数日居なくてヒマだから、ふだんは億劫で出かけないStammtischスタムティッシュにひとりで出かけた。それも、いつもなら「ドイツ語を話さないと」と義務感で出かけていたところを、「自分で手配せずとも誰かに会える、席の用意された定期的な飲み会」くらいに思って出かけたら、思いのほか楽しかった。(この概念も最近ある方から不意にもらった)

Stammtischスタムティッシュの参加者をチラッと見ていたときには、男性の名前しかなくてちょっと不安だった。でも行ってみたら同年代の女の子と知り合えて、すごく楽しい時間だった。また会いたい。


これももし事前に恋人の出張がわかっていたら、起きなかったことかもしれない。もしかするとたとえば私はひとり旅行に出かけて全然違う現実を過ごしていたかもしれない。

それにこれを「恋人が先に教えてくれなかったから、心置きなく旅行に行けたはずの期間に家にいることになった」と捉えることもできると思う。でも、「すべてはうまく行っている」の視点に立てば、毎回誰がくるかわからないStammtischスタムティッシュに完璧なタイミングで参加できたとも言えると思う。

流れに乗ることを私たちはほぼ無意識的に拒絶するところがあると思う。ちゃんと計画を立ててその通りにやって生きるのが正だとか、未来を良くする策も持たずにいるのは悪だとか。

何を隠そう、私がまさにそういう思考で生きてきた人なので、この思考を外すことに向き合っている。私は流れに乗れる、安心して乗っていいのだと。


すべてはうまく行っている

いつもは6時台には目が覚めて、朝の時間をゆったり過ごす私だけど、今日は9時に目を覚ました。でもそこからも結局ゆっくり過ごして、10時くらいに動き始めて、さっき朝食を食べて今は12時前。

「午前中にやりたいことがあったのに、できなかった!」と捉えるとイライラする。でも、「これも必要な時間だ、午前休ということにして午後から仕事に専念しよう」と思えば心が穏やかになる。

そのおかげで、このnoteを書くことができた。SARAさんによれば、何か思い通りにいかないことが起きても、それは何かのオマケ付きで返ってくるそう。私の場合はこのnoteを書くことがオマケだったのだと思う。穏やかな気持ちでパソコンに向かえて、気がつけば3,000文字を超えている記事を書くことができた。

流れに身を任せることだけを考える、すべてはうまく行っていると思う。計画を立てたり思考でうまくいかせたりという世界に生きる期間の長かった私には、まだまだ自然には体現できないけれど、少なくとも今日も昨日もこの1週間も、流れに身を任せて素敵な時間が過ごせたのだなと思えたこの時間だった。

こうして振り返りができたことが嬉しい。今日の残りの時間もご機嫌に過ごせそうだ。

7年半勤めた会社を30歳で辞め、好きな場所に住んで好きな仕事をする人生を作り直すと決めました。サポートいただいたお金は、退職後にお仕事にしているコーチングのスキル向上や、noteを書き続けるための生活に使用します🙇🏻これからも記事を通してみなさんと繋がれたら嬉しいです☺️