Eme suzuki(からだのアトリエ バオバヴ )

おどったり、からだを整えるワークショップを行なったり、子ども達とヨガをしたり…… 様々…

Eme suzuki(からだのアトリエ バオバヴ )

おどったり、からだを整えるワークショップを行なったり、子ども達とヨガをしたり…… 様々な身体表現にまつわることをライフワークとしています。noteでは、療育に関するからだの勉強会やWSのレポート、観察日誌等を掲載しています。(参照HP:baobab-karada.com)

最近の記事

療育にまつわる「からだ」へのまなざし vol.52

3月のバオバヴカフェは、「アートとケア」の最終回。自身も引きこもり経験のある、渡辺篤さんの章を読む。 「想像しえない他者をつなぐ」の章。この方の、優れたプロジェクト「同じ月を見た日」について話す。ちょうどコロナ禍の作品ということで、みんなが引きこもり状態になった、当事者意識を共有しやすくなった、とされる時の作品。人々の「月を見る」という振る舞いを写真にして積み上げていくこと。プロセスが作品のようで、ケアとしての行為のようで、いい意味での曖昧さやゆるさの魅力をシェアする。 「記

    • 療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.51

      2月のバオバヴカフェは、「育児、家事、エッセンシャルワークなどの、不可視化されやすい労働に潜む政治性やジェンダー規範、倫理観に手芸の技法で光を当ててきた」(美術手帖「ケアの思想とアート」2022、vol.74号より)「碓井ゆい」さんの章を読む。話題の中心として、「ケアと女性性」に行き着く感触だった。「女性に生理があることは大きいのでは」「(誰でも)ケアをしたいと思えるようになることが大切なのでは」という意見が出たり、また、ケアということの対極として、以前にも登場した「ケアレス

      • 療育にまつわる「からだ」へのまなざし vol.50

        1月のバオバヴカフェの前半では、「ケア」という言葉からイメージすることをシェアしたりと、身近なところから、「ケア」にまつわる言葉をやりとりする。「子育て」「介護」、、 そこから、テキスト(今回は、美術手帖74号「「ケア」をを起点に考える新しい社会のかたち」の章)を読み進めていく。 「ケアについて考えようとすると、同時に格差や人種、インターセクショナリティの問題も関わってくる(杉田敦) 「……資本主義にさえも抵抗できる可能性」(岡野八代) 「依存関係は必ず第三者を必要とする」(

        • のびのびばplusという場

          今年初めての「のびのびばplus」。 療育ムーブメントを体に通していく。この動きを通して、何を子どもに伝えていくのか、からだに軌跡を残していくのか、というところから、そのメソッド、方法のからだへのまなざしが透けてみえたり、背景にある身体観が感じられたりする。 どうもやってみて違和感がある場合、それは何処からくるのか、と丁寧に辿ってみる。 今回は、その理論の、そのやり方の向こうに、バレエの身体観がみえてきた。もっというと、西洋の20世紀の近代主義の、、と言えるかもしれない。 自

        療育にまつわる「からだ」へのまなざし vol.52

          のびのびばplus 4回目のこと

          今回も(2023、11/22)、SEE LEARNING(https://www.seelearningjapan.com/202403ws)のお助け術について、じっくり取り組みました。自身のからだに意識を向けるための導入が、9つに分かれていて、自分の状況に合わせて、お助け術を選択できるような流れになっています。どれも心地よい内容で、逸脱しすぎず、取り組みやすいからだのワークが揃っている印象です。これらを参加者の皆さんと時間をかけて実践し、やってみた感触や疑問点などを、大いに

          2024年によせて

          2024年、元旦、能登半島地震、、被害に遭われた方にお見舞いを申し上げます。 同じ1月に起きた阪神淡路大震災で被災した身として、その後も続く余震の恐怖が思い出されます。1日も早く、大地の揺れがおさまりますように。 さて、、昨年は、コロナのことを少し棚に上げて、と、私自身、言えるまでになってきたような年であり、「ケア」ということについて、改めて考えた年でありました。コロナ禍で体験した出来事もそうですが、療育界隈に関わる中で、「ケア」にまつわる問題が何処からくるのか、、と考えた

          のびのびばplus 3回目のこと

          3回目の「のびのびばplus」も、SEEラーニングのプログラム(https://www.seelearningjapan.com/)を共有するところからスタート。 からだの感覚を研ぎ澄ます作業は、他者と共に行うことで、より質が高まることは、これまでさまざまな場で実施してきた中で、実感している。 発達特性のあるこどもと沢山関わるようになって5年程だが、この外部から受ける刺激の濃淡は、ともかくも多様で、「自分が感じることの正しさとその脆弱性」みたいなところは、このようなプログ

          療育にまつわる「からだ」へのまなざし vol.49

          今回から、美術手帖「ケアの思想とアート」(2022、2月号)も扱い、まずは「傍らにある生を照らす、美術の向き合い方」の項をシェアしました。2人のアーティストは、身近な兄や妹に、ケアのまなざしが必要だと感じながら生きてきた人達。 この「ケア」という言葉を、深く丁寧に噛み砕いていくことで、このバオバヴカフェのテーマ「療育にまつわるからだへのまなざし」の根幹を編み出すことができるのでは、と思いながらのスタート。ここ数年、このカフェで扱ってきたさまざまな事例を、このまなざしから、編み

          療育にまつわる「からだ」へのまなざし vol.49

          療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.48

          先月のカフェも、引き続き、「ポリヴェーガル理論」を扱いました。現場での大人や子どものからだの様子を、あえて「色」で、見ていくことで、赤や青の状態がずっと続くことは、あまりよくないな、ということに気づきます。この「ずっと」に変化が起きるように、例えば「背中をさする」や、「涙をふくためのティッシュを差し出す」という動きが出ることは、当たり前のようで、人の営みとして、もっと大切にしていいことなのかもしれない、と、話していく中で感じたところです。他者の働きかけ故に、当事者がよい方向に

          療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.48

          のびのびばplus 2回目のこと(7/12実施)

          2回目の「のびのびばplus」は、SEEラーニングのプログラム(https://www.seelearningjapan.com/)を共有するところからスタート。 ダンスに関わっている人なら、一度は通っているであろう、感覚を意識していくボディワークを、整理されたプログラムとして改めて体験。新鮮な気づきが起こることが心地よい。 他にも、療育ムーブメントを、改めて体験していくことで、ムーブメントの奥行きを実感し、自身の発見や、他者(この場では、特に発達に特性のある子供達のこと)へ

          のびのびばplus 2回目のこと(7/12実施)

          療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.47

          今回のバオバヴカフェでは、支援の必要な子供達にとっての、「安心、安全」な場所についての話題が出ました。そういう場とは、「あたたかい」「そのままの自分でいられる」「受け入れられる」、、といった言葉が出ました。逆にそうでない場とは、、 からだの様子でみると、前者では、のびのび、後者はドキドキ、カチカチ、といったところでしょうか。 義務教育機関である、小、中学校は、そんな子ども達にとって、圧倒的に後者であることが多い、、というのは、実感としてあります。又、放課後デイでも、案外、この

          療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.47

          療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.46

          6月のバオバヴカフェも、「ポリヴェーガル理論」について。 自分の状態を客観的に見る指標として、「赤、青、緑」という色を使うことはわかりやすい、と参加者同士で一致する。(詳細は、以下、花沙さんが、まとめてくださっています) 特性の強い子供達にとって、周囲の人間の関わり方で、こうも違った風になるのか…という状況は、放課後デイという現場で、本当に数多く見てきたし、日々目にしている。例えばADHDタイプのアクティブな子への、火に油を注ぐような関わりをする大人をたまに目にするのだが、大

          療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.46

          大人のみなさんと「のびのびばplus」、スタートしました!

          先日、6/7に行った「のびのびばplus」。 告知の際に、「バオバヴカフェ同様、共に学び、探る意欲のある方、おどることはもちろん、教育、保育、療育、からだ、アート、セラピー、ケア、等の言葉に関心のある方、ご参加お待ちしています。」と書いたおかげで、そのような方々に、お集まり頂き、初回を無事に終えました。前半は、ひたすら動く。自分のからだの色々な場所に出会っていくようなことをしたり、1人で動く、2人で動く、みんなで何かをする、など、いろんな質のからだに出会っていく感触を味わって

          大人のみなさんと「のびのびばplus」、スタートしました!

          療育にまつわる「からだ」へのまなざし vol.45

          先月の「バオバヴカフェ」では、再び「ポリヴェーガル理論」について。詳しくは、下記に花沙さんが、書いてくださっているので、そちらにて。後半は、現場での具体的な事例について、皆さんと状況をシェアして、意見交換。その時に、その子のからだの様子はどうだったのか…そう動く理由がそもそもないんだよな…?といったような、からだへのまなざしを、忘れないようにしている。複数の方とまなざしを共有するすることで、いろんな事象の可能性が浮き彫りになることも。 次回も、ポリヴェーガル理論の続きを行うの

          療育にまつわる「からだ」へのまなざし vol.45

          療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.44

          先月は、引き続き、子どもの脳と身体・感覚とのかかわりに着目した9つの大事なことについて…を、書籍を軸にシェアしていきました。子どもと関わる側の「からだ」が、ゆっくり、ゆるやかに、でも、力強くそこに「いる」ような、そんなことを問われているような、いい意味で身の引き締まる内容でした。ムーヴメントを通して、様々なこどもと関わっている方には、一度は「ここ」を通過することをおすすめしたくなるような、そんな書籍でありました。「ここ」とは、おそらく、おどるときの、土台となるような、そんなと

          療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.44

          療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.43

          先月のバオバヴカフェでは、ここ最近、ご参加くださっている方のお薦め本を、皆でシェアしました。子供と関わることに際して、9つのポイントが簡潔にあげられているのですが、どれも、このカフェのテーマである「療育にまつわる「からだ」へのまなざし」へのヒント満載で、9つのうち、5つまでにとどめて、活発な意見交換がなされました。そして、もう一つは、下記に花沙さんが書いてくださっていますが、田中茂樹氏の文章を皆でシェア。子供のことを考える時、一番近しいであろう、「親のからだ」をみていくという

          療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.43