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療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.55

6月のバオバヴカフェも、引き続き、2冊の書物を読む。
「ニューロマイノリティ」(横道誠、青山誠 編著、北大路書房)を、第1章から読み始めている。「定型発達に近づけようとする発想の呪縛」、というところは、このカフェでさまざまな現場の話を共有するたびに出てくる内容と近しく、その呪縛がどこからくるのか…と、参加者と共有しながら、やはり今回もそれは、ふわっとしていて、発達に特性のある人間のことを、よく「知らない」「わからない」、そしてそのまま、「定型発達に近づけよう(としておけばよいだろう)」というようなものであったりするところを感じつつ、そもそも、定型発達に近づくことで、その人は幸せになるのだろうか、という問いを、筆者から与えられる。

当事者を知ろうとしないこと…をもっと重視し、当事者の世界観までしっかりと見ていくと、この第一章の著者(村中直人氏)の言う、「(発達障害と呼ばれる限られた少数派の人たちを理解することにとどまらない)、人間理解の視座そのもののアップデートにつながる」という意味でも、「ダイバーシティ」ということを頻繁に唱えられる現代社会において、とても重要な、可能性のある「まなざし」を、改めて共有する時間となった。
と同時に、「定型発達」的な身体性とは何か、という問いが生まれる。暫く問い続けていくことになりそうだ。

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