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小説は勢いが大事!? ~情熱の衝動を大切に~

「この新人は勢いがある」「この作品は何より勢いがある」
なーんて場合によく使われる「勢い」
これって、一体なんなんでしょう?

「勢いのある」小説ってのは、はっきりいっておもしろいってことです。
まさに勢いで読めてしまうんですね。
欠点としては、少し荒削りな部分もある、ってことでしょうか。

かたや、「おとなしすぎる」小説なんてのもあったりします。
「おとなしい」小説ってのは、大体がつまらないものです。
読んでいてこう、「ぐっ」とくるものがないというか……。

これを具体的に説明するのは難しいのですが、
小説のようなエンタテインメントは、
感覚的なものだっていうことは言えると思います。
感覚的におもしろい気がするとか、
わくわくするっていうのがありますよね。
映画や歌も、好き嫌いは多分に感覚で判断していると思います。

そういった感覚で感じるのが、「勢い」なんだと思います。
この「勢い」は、作家がどれだけの情熱を持って
その作品を書いているか
、ということにもつながっていきます。

それで、私は見つけてしまいました。
そう――「勢い」のある作品とない作品の違いを。

な~んて、エラそうに言うほどのことでもないのですが。
それは――

作家が最初の情熱の衝動のままに、書いているか否か

――ということです。

つまり、何度も何度も書き直しつつ進めている作品
本当はこれが書きたかったけど商業的に無理なので
意思をねじ曲げて書いている作品──などは、だんだん「勢い」がなくなり、つまらなくなっていきます。

たとえるなら、「ねぇねぇ、これすごくおいしい!」
ってある料理を食べた直後に感動を伝えるのと、
(ああ、これはおいしいな。後で伝えねば)
と思い、1ヵ月後に、
「××という料理は、すごくおいしかった。なぜならば……」
と言ってるようなもんです(ちょっと極端すぎましたか)。

でもこれはある意味、真実なはずです。
だって、小説って感動を伝えるものですよね?

読者は「驚き」や「喜び」、「悲しみ」などの
何かしらの感動を得たいがために、
小説を読んでいるのですから。

それが一回「ため」てしまうと(先ほどの例で言うと、
おいしいと思ってから1ヵ月後、ということになりますね)、
新鮮さというか、感動を伝える力が薄れてしまうのです。

わかりますでしょうか?
ですから、「勢い」で書くというのは、ある意味正しいのです。
鉄は熱いうちに打て! ですよ。


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