見出し画像

プロットはどれくらい細かく書けばいいの?

ある方から、
「プロットって、どれくらい細かく書いたらいいですか?」
とご質問をいただいたので、今回は「プロットの書き方」
について、詳しく書きたいと思います。

まず、プロの小説家は必ずプロットを
編集者に提出
します。
プロットなしで書いちゃいました~という話は
あんまり聞いたことがありません。

プロット通りに書けるかどうかはともかく、
(こちらの話はまた後日、「絶対にプロット通りに
書かないとダメ?」
というお題で書きたいと思います)、
どんな設定でどんなキャラでどんなストーリーになるか
つまり、「何で勝負するか」ということを決めるために、
プロットは必要です。

アマチュアの方でも、大筋のプロットは
決めて書き始めたほうが、話はまとまりやすいと思います。

さてそのプロットですが、「これほどまでに違うの?」
というくらい、プロ作家でも書き方が違います

構想書きみたいな、メモ書きみたいな感じで、
ぺらっと提出してくる作家。
(たまに何が書いてあるかわかりません)

しっかり起承転結に分けて、きっちり出してくる作家。
(こういうのはありがたいです)

用紙15枚、ちょっとした短編小説?
というほどに細かすぎるほどに長く書いてくる作家。
(あんまり長すぎると、没にしづらいという点もあります…)

みんな、自由だね!(笑)
まぁ、書きやすいやり方で書くのが
一番
ではないかと思いますが。

しかしオーソドックスなのは、ある程度の長さで、
設定とキャラクター、世界観や舞台や時代背景を書き、
物語を起承転結風に、どんな事件やどんな大きな
エピソードがあるのかを記載
して、エンディングまでを書くやり方。

それを、ペラ1~4枚程度にまとめてあるのが通常ですし、
一番見やすいですね。

さて、ここで冒頭の質問に戻りますが、
「どれくらい細かく」というのは、「エピソードをどこまで
細かく入れるのか?」
ということだと思います。

例えば恋愛物語だったとして、ヒーローとヒロインが
途中、喧嘩別れしたとします。
なぜ喧嘩別れしたのか、そのきっかけは何なのか
というのが、「エピソード」として盛り込む部分です。

ここが何も書かれていないと、プロットとしては
成り立ちません。
何らかの理由背景がないと、喧嘩別れに
ならないでしょうから。

その事件や背景、理由を「端的に書く」のが
プロットです。

「こーゆう事件があってね、そのために
ヒーローは勘違いしちゃってね、本当は
こういうことだったんだけど、ヒロイン側にも
理由があってね……」
と、本当は事情はいろいろと込み入ったもの
あるかもしれませんが、ここは「端的に」書いてほしいところです。

しかし背景や事件の内容が具体的に決まっているのなら、
それは明記しておいてもいいでしょう。
漠然としか決まっていないなら、「こういう事件があって
喧嘩別れした」
だけでもOKです。

プロットは、あんまり細かく作りすぎないのも、
いい小説を作る上では大切
なことです。

それはなぜかというと、「遊び」を作っておくことも
大事
だからです。

プロットはあくまでも「小説を書く上での道筋」
「カーナビ」
みたいなもんです。

あんまりガチガチに道筋が決まっていると、
キャラクターの振れ幅が少なくなり
「生きた」小説にならないこともあります。

が、それは人によって、「細かく決まっていたほうが書きやすい!」
という方と、「あんまり細かく決めすぎないほうが書ける」方と、
人それぞれですので、自分に合ったやり方を見つけることが、
一番大切
だと思います。

このプロット、本当に作家さんによってえらく違うので、
一般の方が見たら驚くんじゃないかなぁ、
見せてみたいけど、絶対に作家さんは嫌がるから、
見せることはないだろうなぁ……やっぱ、編集者の特権か!
とほくそ笑んでいます(笑)。

個人的には、「必要充分」なプロット
一番理想的だと思います。
おおまかな設定やキャラ、ストーリーがわかって、
どんなエピソードが入るのか
もある程度はわかる。
しかし、小説になってみないと、細かい部分までは
わからない
……だからプロットを読んでいても、
完成した小説を読んだ時に驚きと新鮮さがある。
それが理想ですね。



この記事が参加している募集

編集の仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?