AIが自動で稼ぐ時代に私たちがすべきこと【MITテクノロジーレビュー記事要約】
今回は気になる記事があったので皆さんに共有します。
"ディープマインド社"とは、2014年Googleに約6億ドル(680億円程度)で買収され、現在は同社のAI事業の中核となっている企業です。
GoogleはAIブームの火付け役となったLLM(大規模言語モデル)を開発において中心的な役割を果たしており、OpenAI(ChatGPT)と対となって語られるなど、AIブームにおける中心的な企業の一つとなっています。
記事の中では、そんなディープマインド社の創業者の一人であるムスタファ・スレイマン氏が今後のAIの進化についての予測、そしてそれをどのように扱っていくべきか、ということを具体的に示しています。
まさに今後のAIの動向を考える上では絶好の材料であると言えます。
具体的には、「これからの時代を生きる起業家や経営者…いや、社会人全員が理解しておかないと大変なことになる未来予測」が書かれていると思います。
逆に、これを理解しておくだけで、起業やビジネスを成功させることが、グンと簡単になると思います。
そこで今回はこのMITテクノロジーレビューの記事を題材に「AI時代がどのように変わっていき、どのような社会が誕生していくのか」ということをわかりやすくお伝えしていきます。ぜひ最後までお読み下さい。
さて、今回はこんな方に読んでほしい記事です。
それでは、要約からはじめていきましょう。
1. 「ディープマインド創業者、『AIが100万ドル稼ぐ時代に備えよ』」要約
早速ですが、この記事の結論から早速お伝えします。
それは、以下の3点です。
要約の中にもあるように、これまで「AIの性能」を判断する方法はチューリングテストに頼っていました。
このチューリングテストとは、アラン・チューリングが考案したものです。チューリングは「コンピュータの父」とも「AIの父」とも称される天才エンジニアで、現代における情報技術分野に多大な影響のあった人物です。
チューリングが考えたため「チューリングテスト」と呼ばれている訳ですが、これは「人間とAIを会話させ、人間が会話の相手を機械であると見抜けなければAIとして成立していると判断する」というテストです。
単純だけれども、精度の高い方法であるため、AIの議論と共によく登場してきた考え方でした。
しかし、現在実現しているAIは、既にこのチューリングテストを軽くクリアできる水準に達しています。スレイマン氏はこのようにチューリングテストを軽々クリアできるAIが成立しているからといって、そのテスト結果が、本質的に社会にどのような影響を及ぼすのか、ということまでは教えてくれないと言います。
つまり、「AIが人間とコミュニケーションを取ること」(知的であること)と「現実の世界において具体的にどのような行動を取り、何を達成できるのか」(できること)ということは大きく違うという訳です。
こうした状況を受けて、スレイマン氏は新たなチューリングテスト、「モダンチューリングテスト」という考え方を提案しています。
この方法は例えば「わずか10万ドルの投資金を使い、数カ月以内に、小売販売Webプラットフォームで100万ドル稼ぎなさい」という指示を与えるだけで、求められた結果をAIが導き出すことができるかどうかを試すテストのことを指します。
この「モダンチューリングテスト」を現代のAI、例えばGPT-4などのシステムに適用すると、未だ、この水準に達するAIは実現していないということが分かると思います。これを実現するためには実に複雑な作業が必要になるからです。
さて、記事では、この後に筆者が有能人工知能(ACI)があと2年で実現すると考える技術的な根拠と、それによる社会への影響が、極めて具体的に示されています。
この辺りは実際に記事を実際に読んでみてください。
2. 記事から分かるAI時代の「ビジネスの要点」
さて、ここからは記事に基づいた私の考察になります。
要約だけを読んでも紹介した記事の内容に強い説得力を感じた方も多かったんじゃないでしょうか。特にモダン・チューリングテストというAIの性能を図るテストは、非常に説得力のある意見だったと思います。
さて、ここで私が注目したいのが、スレイマン氏のようなAIに造詣の深い人物が、モダン・チューリングテストに合格する有能人工知能(ACI)の実現を "2年後" という非常に近い未来に設定しているということです。
当然、そうならない可能性もありますが、現在のAIブームの土台を作った一人がそのように予測しているという事実は無視できないものだと言えます。
そこで私たちが目を向けなければならないのは、このACI実現後の社会の大きな変化です。AIの登場により多くの職業が危険にさらされるということが、去年のChatGPT登場以来、議論されてきました。
私個人としては、「ACI」までの水準には達していない現段階のAIによって奪われる職業は世間で予測されているよりも少ないと考えています。
基本的には、「ラストワンマイル」(※ここでは仕事における最後の仕上げ作業・経営判断等を指しています)に関わっているような仕事は奪われないと考えています。そもそも現在の水準のAIによって影響を受けてしまう仕事があるとすれば、AIを使いこなした優秀な人材によって仕事を奪われているに過ぎないと思います。
つまり、現段階の性能のAIがいくら社会に浸透したとしても「ラスト・ワンマイル」の仕事に関わる人(経営者等)が部下などに指示していた仕事をAIに発注するようになり、これが結果として「指示される側」の仕事を奪ってしまう、という構図であると考えられます。
しかし、この状況もスレイマン氏の言う有能人工知能(ACI)の登場により一変します。つまり、この「ラストワンマイル」でさえAIに置き換えられてしまうということです。
さて、ここまでがこの記事から読み取れるAI時代の前提となる世界観だと思います。では「ラストワンマイル」でさえ奪われる時代に、私たちはどのような考えの元、働いていくべきであると言えるでしょうか。
次にこの点について考えていきます。
3. ACI実現後、何が人材の差を生むのか?
では、この世界において私たちはどのように働いていくべきでしょうか。
結論から言うと、(個人の)ブランディング・マーケティング・商品自体の質(= ニーズ捕捉度)に注力するべきであると考えられます。
やはりAIを巡る現在の状況を考えるとスレイマン氏の話す通り、ACIの実現は近いと思います。少なくとも5年以内には実現する可能性が高いでしょう。
ただし、ACIには落とし穴もあります。
勘の良い読者であれば既にお気づきの方もいると思いますが、例えばACIに指示を出すだけで1億円を稼げるようになるのであれば、ACIを使う大量の競合が生まれてしまうということです。
そのため、毎年コンスタントに1億円を稼ぐためには、同じような行動をするACIとの競合の中でさらなる戦略を考え、自分の立ち位置を明確にし、ブランディングやマーケティングが必要になるわけです。結局、この部分は、ACIを使うそれぞれの人間が担わなければならない部分になると思います。その結果、そのACIを使う個人のブランドやマーケティングが物を言う世界がやってくると考えられます。
そして、この時のブランド価値とは「明確に絞られたターゲットのニーズをどれだけ捉えているか」(=商品の質)によって積み上げられていくことになります。
このnoteを読んでいる方は経営者や起業家など個人で独立して生活している方が多いと思いますが、こうした方々は今以上に自分の立ち位置(ブランド)とターゲットを明確にした上で、そのターゲットのニーズに響くような商品を磨き続けるという作業が大切になります。
この辺りの考え方は以前の記事でも書いた通りなので、まだお読みでない方はぜひ読んで見て下さい。
一方で考えなければならないのは、従業員や社員として生活をしている人です。自分の属している会社は、既に独自のブランドエクイティを有しており、ACIが実現した後の世界では、社員にこれまで行動させていた部分をACIに置き換えてしまえば済むと考えてもおかしくありません。
したがって、会社に属している人は、いつ自分の仕事がACIに置き換えられてしまっても良いように戦略的に会社のブランドの一部となるか、会社の外でも活動できるように自分のブランドや立ち位置を確立させておく必要があると言えます。
このように、個人で動いている人も、会社の中で動いている人も「自分の立ち位置(ブランド)」と、「そのブランドのターゲットのニーズ」を明確にした上で、自分のターゲットのニーズを満たせるだけの商品力を磨き続けることが必要な世界になるというのが、ACIの実現後の社会の常識になるはずです。
最終的にはACIを使いこなすそれぞれの人の能力に依存するというのは、面白い結論ですよね。
4.ACI実現後の世界に備えよう
さて、いかがだったでしょうか。
ACIの実現、ワクワクすると共に恐怖心を感じる方も少なくないのではないでしょうか。
確かにACIの実現によって私たちの生活は飛躍的に便利になる可能性が高いです。一方で現在、人間がやっているような仕事のほとんどをAIが遂行することができるようになるとも言えます。
だからこそ、今のうちからAI時代に合わせて自覚的にビジネスマンや経営者として自分のブランドを確立し立ち位置を明確にした上で、自分のターゲットに向けて商品の質を磨いておく必要があると思います。
このnoteでは、既にChatGPTを活用して自分の「ブランド・ステートメント」を作る方法や、自分自身がどのような「立ち位置」にあるべきなのか、ということを明確にするための具体的な方法をお伝えしてきました。
今後もこうしたAI(ACI)時代に生き残るための具体的で実践的な方法を私の実践とともにお伝えしていきますので、ぜひ「フォロー」してお待ち頂ければ幸いです。
ちなみに、今回から「スキ」を押してくれたら私が「なるほど!」と思ったものだけに限定した「AI活用マル秘情報」が手に入るようにしました。最後のお楽しみに、是非押してみてください!
ではまた次回の記事でお会いしましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?