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アニメ思考法:複雑で困難な問題への創造的アプローチ (2)

 攻殻機動隊を分かりやすく鑑賞する観方には諸説ありますが、模範解答としては、以下の説明が非常に良くできていると思います。

 ところが、『無知論の理』の観点からは、この模範解答的なアニメの観方こそが #攻殻機動隊 をつまらなく鑑賞してしまう元凶となります。

『無知論の理』を分かりやすく解説すると、4ピースだけで構成された簡単なジグソーパズルを完成させることや、一手詰の詰将棋問題を解くような簡単な問題に取り組み続けると、人間の想像力や独創力、思考能力、さらには人間性までもが後退します。そのため、人間の知的成長を促すためには、困難な問題に挑戦し、知的好奇心を刺激することで、新発見や想像力、人間性などの向上を図る必要があるということです。

 ジグソーパズルや詰将棋が何だか分からない方向けに、さらに解り易く説明してみましょう。 #ジョジョの奇妙な冒険 のジョジョウエハースを箱買いしたら確実にステッカーが全部揃うという条件だと、そんなものを買って楽しでしょうか?

 ステッカーがコンプリート出来るかどうかわからないからこそ、大量のウエハースが余ってしまい、そこから #フードロス問題 を考える契機が生じ、そこに食べ飽きてしまったウエハースを如何に美味しく食べきるかという創意工夫が発生します。

 それでも食べきれないものは、職場の部下にお裾分けするのは、『フードハラスメントになるのではないか?』という職場倫理問題や、『この年でジョジョステッカーをコレクションしていると同僚から白い目で見られるのではないか?』といった #人間関係論 や企業の #組織論 へと展開し、このようにして人類は発展してきたのです。

 さらに、日本中のスーパーやコンビニで #石仮面蒟蒻 が一個100円で売られていることに喜ぶ人はいるでしょうか? ジョジョを知らない人の反応は『不気味な蒟蒻ね!』であり、 #ジョジョファン から見れば『そんなどこにでも売っている石仮面蒟蒻に何の価値があるのか?』となり、結局、石仮面蒟蒻を誰も買わないでしょう。入手が困難で、高価であるからこそ石仮面蒟蒻には価値があることが理解でき、この気付きから #経済原理 #マーケティング戦略 といった有益な知見を、身をもって会得することが可能になります。

#ジョジョの奇妙な美術館からの脱出 』にしても、誰でも簡単に脱出できるのであれば、そんなイベントには何の価値もありません。脱出できるかどうか分からないからこそ、人類は脱出方法を熟慮しつつも、即断力や豊富な知識を駆使してきたので、これまで人類は進化してこれたのです。

 このようなアニメ人類の進化の方向に逆行し、退化してしまったのが、『 #タイパ 』、『 #コスパ 』、『 #ライフハック 』といった、楽をして何かをしたら得をしたと誤解している浅はかな新人類です。

 次回の記事では、以上の『無知の理』の観点から、スカーレット・ヨハンソン出演のゴースト・イン・ザ・シェル(GHOST IN THE SHELL)について論じてみたいと思います。

つづく…

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