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ブータンの小学校の1日の様子。

私は2017年7月〜2019年7月まで2年間、
南アジア、ヒマラヤの麓に位置するブータンの小学校で美術を教えていました。
記憶は薄れていくものなので。ブータンの学校についても、忘備録も兼ねてちょこちょこ綴っていきます。今日は、学校の大まかな流れについて。

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学校。校舎が学年によって違います。教室のドアを開ければ外と直結しているので、廊下はなし。木でできた校舎が敷地内にいくつも立っています。

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朝のAssembly(朝会)の様子。この時は高学年だけでした。


<Time Table>
Cleaning 7:30〜
Assembly 8:30〜 全校朝会、お祈り
1 9:00〜
2 9:40〜
Tea Time
3 10:20〜
4 11:00〜
5 11:40〜
Lunch Time
6 13:30〜
7 14:10〜
8 14:50〜 クラブ、委員会、スカウト活動
Evening Prayer お祈り、帰宅

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朝は花の手入れや掃除。


・小学校はClass PP(PrePrimary)からClass6までの7年。
年齢は決まっておらず、6歳を目安に入学。

・朝は毎日全校生徒集まってお祈りで始まり、帰りもお祈りで終わり。

・7:30ごろから子どもたちは教室や校庭の掃除をしたり、花の水やりや雑草を抜いたりする。

・学校の敷地内は「公的な場所」なので、全ての人がブータン伝統衣装を着ることがルール。学校によって制服の柄が違う。体育の時だけジャージに着替える。

・1クラス30〜40人在籍、全校生徒700人前後の学校。

・低学年の教科はゾンカ語(母語)、算数、英語、図書、図工、体育。
高学年はそれに理科、社会が加わる。

・母語ゾンカ語の授業以外、全ての授業は「英語」で行われる。(読み書き、試験も)

・夏と冬の年二回の試験(ゾンカ語、算数、英語)により、成績が決まる。
試験結果により留年あり。何度でも留年する。

・担任の先生はいるが、完全に教科担任制。
子どもたちは教室で待ち、先生が授業時間になると教室に移動する。大抵5分遅れで開始。

・授業と授業の休み時間はなし。住み込みのケアワーカーさんが鳴らす鐘の音が授業開始や終了の合図。

・昼食時は家に帰っても良い。保護者と一緒に食べたり、友達と食べたり、完全に自由時間。教員も家で休む人が半分以上。

・Evening PrayerはClass4以上がPrayer Hallにて集い、お経をただただ祈りながら読む。一つひとつのお経はメロディがあり、歌のように声を備えて唱える。

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お弁当は家族や友達と自由に好きなところで座って食べる。みんな唐辛子料理!お弁当箱は保温のできる日本製Zojirushiを持っている子が多かった。

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木陰も人気。おうちの人が待っている子もいる。

毎日毎日、学校の中におうちの人や近所の人がいて、(おしゃべりやお経を読んでいる)
子どもたちはいつも笑顔で走り回っていて、
喧嘩があれば上の学年の子どもたちが仲裁する。教員は関与しません。

学校の中にも自由がたくさんあり、
いい意味で「教師の目の届かない場所」がたくさんある。
教師も、学校にいても休み時間や空き時間、昼食時は「素の自分」に戻ります。

ブータンの学校は本当に大きな家族のようで、
先生たちもただの同僚ではなく、いろいろあれど「家族」のような意識で働いていました。

また、教員の地位が高いので、村の人や子どもたちは教員のことをとても尊敬、信頼しています。

村の子どもたちが通ってくる学校なので、ほとんど全員が顔見知り。
親同士も知り合いのことがほとんど。
村全体で協力して子どもたちを育てている印象でした。

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通学路。約2年住んだ私の家も、このすぐ先にありました。

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電気がつかないので、試験を受けるのは外。日本のものさしで見ると、違うことだらけ。この時代、何が幸せで、豊かな教育と言えるでしょう?

Ai.


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