見出し画像

【連載】お迎え、間に合うかな・・・ 2017.09

育休後アドバイザーとして
育児と仕事の両立に役立つ情報、
日々のことを発信しているワーママaiです。


仕事と育児の両立に苦戦した日々の記録を
ストーリー形式で振り返っていきます。


これまでの話・・・

1.お迎え、間に合うかな… 2017.01 
⒉ お迎え、間に合うかな… 2017.02
3.お迎え、間に合うかな… 2017.03
4.お迎え、間に合うかな… 2017.04①
5.お迎え、間に合うかな… 2017.04
6.お迎え、間に合うかな… 2017.05
7.お迎え、間に合うかな… 2017.06
8.お迎え、間に合うかな… 2017.07
9.お迎え、間に合うかな… 2017.08



2017年9月


「ワーママ 時短勤務」「ワーママ 仕事が終わらない」
これらは、私が仕事帰りの電車内でよく検索したワードだ。
一体、世の中のワーママたちはどうやって仕事を終わらせているのだろうか?
同じ会社のワーママに聞いてみたらいいのかもしれない。
でも、同じ会社内のワーママに聞きづらかったのだ。
相田さんの部署は大変らしい、相田さんの部署は時短で帰れない・・・
なんて、うわさになるかもしれない。
いや、私が仕事ができないとレッテルを貼られるかもしれない。
そういう理由で、ネットで検索していたのだ。
検索すると同じようなことで悩んでいる人もいた。
ところが、管理職だったり昇進希望など今後のキャリアを見据えた女性ばかりだ。私のようにただ目下の業務が多くて困っている、という人はあまりいなかった。
同じ状況、同じ環境、同じ考えの人はいないので当たり前だ。
ところが、その時の私はネットで「答え」を求め検索することを繰り返した。




実は、その悩みを根本から解決してくれるであろう機会が訪れたのだ。
「時短勤務者セミナー」の開催がこの月に行われることになっていた。
各部署に増えている育児時短勤務者とその上司のために人事部が講師を招いて学ぶ機会を設けたのだ。
おそらく、会社側も各部署で時短勤務者の働き方について、時短勤務者自身、そしてその上司も学ぶ必要があると判断したのだと思う。





期待に胸を膨らませセミナー開催日を心待ちにしていた。
期待していたけれど実は、気がかりな点もあるのだ
先に受けた小野先輩から聞くところによると、課長との面談で「うちの部署では難しい。」とあまりいい話し合いにならなかったというのだ。
そんな心配もあったが、子育てと仕事の両立を経験した講師による両立のノウハウを学べることは大きい。
何よりも、きっと私の時短勤務の悩みが解決するはずだ。
私は、業務で忙しい中なんとか仕事を調整してセミナーに臨んだ。



限られた時間内でのセミナーはかなり濃い内容だった。
講師は管理職をしながら仕事との両立を経験した女性講師。
彼女の言葉による時短勤務で働くためのアドバイスは心強かった。
再確認したことは、周りへのサポートへの感謝だ。
講師が強調している点でもある「感謝の重要性」は、今後も意識して続けなければいけない、と心に留めた。
グループワークで受講者の意見交換も大きく影響を受けた。
普段、ゆっくり時短勤務者同士での意見を交換する機会がない私にとっては、有意義な機会となった。
この講義には違うフロアに勤務する時短勤務者も参加している。
私の隣の席にいた女性は、他の事業部で係長をしているという。
グループワークでの意見交換で、この係長の女性がこういった。
「毎日、メールが100通以上くるのでそのメールを裁くだけで時間がほとんどなくなってしまうんですよね。私は部下を持っているから部下より先に帰れなくて・・・。」
「えっ、100通!?」
私はびっくりして思わず声が出ていた。
それに比べたら、自分の担当業務が終わらないなんて言うことをためらってしまう。
「私の部署はありがたいことに、時短の申請時間には帰らせてもらっているので感謝しています。」
管理部門にいる女性は、こう話した。
部署によっても大きく違う。
同じ会社でも、部署が違えばまるで環境が違うのだ。
また別の参加者は、
「時短勤務で先に帰るのが申し訳なくて帰りずらいんですよね。業務を頼みにくいのもあります。」
と、悩みを打ち明けた。
この意見に一同は大きくうなずいた。
「私も、業務が終わらないことが多く悩んでいます。まわりも忙しいので頼めない状況です。」
私も自分の発言の番にはこう言った。
だいたい参加者の悩みは意見をまとめると以下の内容だった。
申し訳ないという罪悪感の気持ちとキャパオーバーになってしまうということだ。
講義の内容も踏まえてみんなで解決策を考える。
結論は、感謝を伝えることと、キャパオーバーになる前に相談をするということだった。
みんなも同じような悩みを抱えていることを知り心が軽くなった。



この日は、上司だけが参加する上司向けセミナーも同時に行われていた。
時短勤務者のみのセミナーで講師が
「みなさんの大変さや努力をみなさんの上司にお伝えしておきます。」
と言ってくれたことに感謝した。
いよいよセミナーのラストは、上司との面談だ。
決意をした言葉を面談が始まると伝えた。
「業務量が多くて申請時間通りには帰れなくて困っているんです。」
「うーん。時短は権利だけど、義務を果たしての権利だからねえ。」
と課長が言う。
私は、固まってしまった。
義務・・・。
私は担当業務は責任を持ってやっているけれど・・・。
課長には、私は担当業務ができていない=義務を果たしていない、と思っているのだろうか。
頭が真っ白になってしまった。
何も言えずにいると、
「うちの部署は忙しいから、時短で働くっていうのは難しいよね。やっていることも複雑な部署だしね。繁忙期には2、3倍の業務量にもなる。確かに大変だよね。」
と、課長が口を開いた。
そして、続けた。
「相田さんの考えはわかったよ。周りにもフォローしてもらえるよう、俺からも声をかけておくから。今はそれで乗り切って欲しい。」
「はい。ありがとうございます。」
課長は私の言いたいことはわかってくれたようだった。
現状を踏まえながら、まわりからのフォローという形で私の要望に応えてくれる形にしてくれた。
感謝しなければいけない。
実を言うと、業務量の調整を期待していたのだけれど、まわりのみんなも手一杯だ。
それは私も理解しているし、みんなの負担になるような形での時短勤務利用は避けたい。
課長の案が一番現実的だ。
厳しいことも言われたけれど、課長もできる限り私の希望に沿って、まわりに協力を要請してくれることは大きかった。



後になって、厳しいと感じた課長の言葉の意味を私なりに理解すると、
権利を主張するためには、納得できるような成果を出すという前提が必要、ということなのだと思う。
私は、担当業務はこなしているけれど、課長が納得する役割を果たしていなかったのかもしれない。
反省すべき点だけれど、では、どうすればよかったのか・・・。
今もベストな答えはわからない。




翌朝、出社すると課長がチームのみんなにこう言った。
「きのうのセミナーに出たからってわけじゃないんだけど、相田さんのフォローしてもらえるかな。みんなも忙しいから、申し訳ないんだけどさ。」
課長の言葉に、チームのみんなは「はい。」と言ってくれる。
業務が終わらないことで相談したのは自分なのに、課長からみんなにお願いする場に同席すると、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「すみません、迷惑かけないように業務を進めていきます。」
私は立ち上がって、頭を下げた。
そのまま顔を上げられなかった。
みんなに迷惑かけないように、ちゃんと仕事を終わらせなければ・・・。
前日は課長にこのことで相談したのに、翌日には迷惑はかけまいとそう固く誓っていた。




課長の言葉があったから、というわけではないけれど、
チームのみんなが、書類の片付けを手伝ってくれたり、
「上がれますか?」と心配してくれることが多くなった。
感謝の気持ちと同時に、本当に申し訳ない気持ちが強くなった。
みんなに迷惑をかけないために、さらに業務の工夫をしたり、
仕事の効率化のために、書籍で学ぶことに力を入れた。
その効果もあって、みんなの負担にならない形でうまく処理できることも多くなっていた。
しかし、私の工夫や努力では太刀打ちできない出来事が待っていた。




実は、部署で来月から大きな改革が始まることになっていたのだ。
先月目にした管理職が慌ただしく会議を行っていた光景。
それが、その改革の最終調整の会議だったのだ。
今回受けたセミナーや意を決して課長に相談したこと、課長がみんなにフォローのお願いをしてくれたこと・・・。
これらが全て流されてしまうような、そんな大きな波・・・まさに津波。
そんな「業務の津波」がやってくるのだ。


これから数ヶ月間奮闘することになる。
この言葉とともに・・・。


お迎え、間に合うかな・・・・。



つづく・・・

*余裕なしワーママを変えた幸せな両立テクをまとめました↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?