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【連載】お迎え、間に合うかな・・・ 2017.07

会社員ワーママ として
育休後アドバイザーとして
育児と仕事の両立に役立つ情報、
日々のことを発信しているワーママaiです。


仕事と育児の両立に苦戦した日々の記録を
ストーリー形式で振り返っていきます。

1.お迎え、間に合うかな… 2017.01 
⒉ お迎え、間に合うかな… 2017.02
3.お迎え、間に合うかな… 2017.03
4.お迎え、間に合うかな… 2017.04①
5.お迎え、間に合うかな… 2017.04
6.お迎え、間に合うかな… 2017.05
7.お迎え、間に合うかな… 2017.06



2017年7月

「お母さん、来てくれてありがとう。」
私は、家のドアを開けて母を家の中に入れる。
今日は、母に娘をみてもらうために来てもらった。
実は、おとといから娘が発熱している。
白状すると、子どもが発熱するとすぐに仕事のことが浮かんでしまう。
娘の体調の心配もあるけれど、同時に仕事を休む場合の段取りや仕事のことを頭のなかで整理するのが習慣になってしまった。
昨日の朝は、娘は発熱だけで普段通りに機嫌よくおもちゃで遊んでいた。
発熱の場合は当然、保育園には行けない。
娘の様子を見つつ、会社に休む旨の連絡を入れた。
仕事は進めてあったので、突然の休みでも迷惑をかけずに済みそうだったのでほっとした。




昨夜の時点で、娘はまだ熱が下がらなかった。
さすがに2日連続の休みはきつい。
出社して、溜まっている仕事を片付けなければ・・・。
夫も会議の予定が入っていて休めない。
そういう場合、私の母に協力してもらっている。
電車で2時間半かかるため申し訳ないのだが、昨日、電話で娘をみてもらうようお願いをした。
というのも、娘の発熱の原因が「溶連菌」の診断だったのだ。
「溶連菌」などの感染症の場合、解熱後の診断書が必要だ。
娘はまだ微熱があるので、しばらく休むことになる。
明後日なら夫が休めるという。
明日は私が休んで娘をみるので、今日中に溜まった仕事を片付け、明日の分の仕事もやらなければならない。
母が遅くならないように帰らせてあげたい。
そうなると、昼休み返上で仕事を進めなければ終わりそうにもない。



「お弁当を冷蔵庫に入れてあるからよろしくね。おやつにフルーツ買ってあるから一緒に食べてね。悪いけれど、よろしくね。」
母に娘をみてもらう場合、娘のお弁当やおやつを用意している。
普段一緒に暮らしていない母にもわかりやすいよう、薬、体温計や連絡事項を書いたメモ、保険証や病院の診察券・・・、娘が小さい頃は着替えやオムツセットなどもわかりやすく準備していた。
母に娘をみてもらう際、ちょっとでも負担を減らしたいと考えて続けているささやかな工夫だ。
「こっちのことは気にしないで仕事終わらせてきて大丈夫だよ。」
こう言ってくれる母の言葉がありがたかった。




私の周りのワーママは実家の両親が近くに住んでいるという家庭が多いように思える。
私の周りのワーママは子どもの体調不良などの時には、自分か夫の親に見てもらう人が多数だ。
中には私のように遠い中、来てくれる場合もあると聞く。
共働きの場合、やはり自分の親や夫の親などのサポートに頼ることが多い。
子どもが感染症などにかかった場合、長引く休む必要がある。
夫婦だけで子どもの休みに対応するにはやはり限界を感じる。
病児保育もあるが、私が調べたところでは、場所、預ける際の手続き、混雑を考えると利用しにくいことがわかった。
自分や夫の親などの頼れるサポートがあることは仕事を続けていく上ではかなりの助けになる。
当然、私も夫婦で交代で休んで乗り切ることもある。
そういう場合は、事前に夫やまわりとのスケジュール調整や確認が重要になってくる。




会社に着くと、すぐに課長のデスクに向かう。
急遽、休みをもらったことの謝罪と感謝を伝えつつ、また明日休みをもらうことを伝える。
「申し訳ありませんが、明日もお休みをいただきたく思います。」
・・・こういう時は、本当に気まずい。
課長は、こちらに顔を向けないまま、承諾の返事をした。
気が重いまま、溜まっている仕事にすぐさまとりかかる。
課長の反応も気になっているけれど、実は、以前より少し肩の荷が軽い。
それは、やっと決心したことを課長に伝えることができたからだった。




ボーナスが出る少し前にいつも面談がある。
上期の進捗や現状の確認することが主な目的だ。
事務である私の場合は、売り上げの数字や成功させなければいけないプロジェクトなどはない。
事務チームリーダーである私は、チームメンバーのとりまとめなどリーダーとしての役割についての確認がメインだ。
今回の面談では、その「事務リーダーの件」について課長に私の考えを伝えようと心に決めたのだ。
「実は、事務リーダーを外れたいと考えています。」
私は、面談が始まると、すぐにこう切り出した。
決心していたことなので迷いはなかった。
理由は・・・、おわかりだと思うが、事務リーダーとしての役割に限界を感じたからだ。
課長が求めているリーダーとしての役割はおそらく果たせていないだろう。
「時短を言い訳にしてはいけない」というのは課長が以前に行った言葉だ。
その通りだと思う。
会社にも、時短勤務でもリーダーや役職者の女性はたくさんいる。
言い訳にしてはないけれども・・・・結果、うまくいっていないことは明らかだった。
そして、残業ありきの部署なのでリーダーが先に帰ることに申し訳なさを感じていた。
課長にも何度かアドバイスを求めたが、明確な解決方法がないまま今に至る。



事務リーダーを外れる。
私自身の価値観やそれを踏まえたキャリアを考えた結果の答えだ。
私の場合、みんなと協力したりサポートすることは好きだし、得意かもしれない。
ただ、みんなに指示したり、みんなをひっぱっていくのは昔から得意ではなかった。
正直に言うと、苦手だと思う。
だから昇進試験も受けていない。今後もそのつもりだ。
時短勤務制度を利用しながら、育児の時間を確保し、会社では事務の仕事をみんなと協力しながら精一杯やっていきたいと考えている。
幸い、私の先輩も育休から戻って来た。
そして、私の後輩だった奥村さんが先日、主任試験を受けた。
つまり、うまく行けばもうすぐ奥村さんが主任になる予定だ。
となると、役職のない私が事務リーダーを続ける理由はなくなる。(私に役職はない。事務リーダーは名前だけで役職ではない。)
それが、今回の面談で事務リーダーを外れたいと伝えた大きな理由だ。




「そうだよね、ここの部署(忙しい部署)で時短しながらリーダーはキツイよね。」
課長は、私の申し出に驚いた様子はなかった。
私の能力と今の状況、私の希望を十分にわかっていたのだ。
「相田さんの希望や考えはわかったよ。と、なると主任試験を受けてるし、奥村さんがリーダーになる。でも、すぐに奥村さんがメインリーダーっていうのは大変だから、しばらくはサポートしてあげて。」
課長は、気持ちいいほどに話しをまとめた。
事務チームリーダーを外れることについて悩んで答えを出すのにどれだけかかったのだろうか。
課長に伝えて話しがまとまるまでには数分もかからなかった。
私の中では重大な決心だったけれども、こうなることは時間の問題だったのかもしれない、と後になって思っている。




とにかく、肩の荷が下りたのは大きい。
仕事の内容はそのままなので(リーダーの仕事はなくなったが)、あまり忙しさは変わらない。
実は、この時点での決断が下期に影響を与えることになる。
下期になると部署で大きな業務改革があり、「リーダーでない」時短の働き方でも、苦戦することになるのだった。
後ほど、それについては詳しく振り返っていこうと思う。



私は明日の分の仕事を処理するのに集中していた。
さて、今日はお迎えの時間は気にしなくていいけれど、母の帰りの高速バスの時間までには家に戻らなくては・・・。
でも、明日の分の仕事も終わらせなければいけない。
ふと、時計を見る。
この時間は、いつものフレーズで頭がいっぱいになる時間だ。


お迎え、間に合うかな・・・・。



つづく・・・。

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