見出し画像

【連載】お迎え、間に合うかな・・・ 2017.02

ご覧いただきありがとうございます。
会社員ワーママ として
育休後アドバイザーとして
育児と仕事の両立に役立つ情報、
日々のことを発信しているワーママaiです。


復職後、仕事と育児の両立に苦戦した日々の記録を
ストーリー形式で振り返っていきます。

【これまでの話】
1.お迎え、間に合うかな… 2017.01



2017年2月

この時期の監査資料の提出は珍しい。
前回の指摘事項の改善を確認するため社内監査があるのだ。
通常業務に加え、監査資料の準備をする。リーダーの私はメンバーに資料準備の振り分けのメールを送った。
事務チームのメンバーで最年長は私だ。そんな理由もあって私がリーダーになってから8年になる。
チームのメンバーの奥村さんは仕事の理解も早く、非常に優秀な後輩。フォローもしてもらっていて助けられることも多い。
奥村さんと同時入社の増田さんは営業の男性にもミスを指摘する場面もあるほどのしっかり者だ。
佐藤さんはチームの中で一番明るい性格で入社年数はみんなより浅いけれど、みんなとすぐに打ち解けムードメーカー的な存在。
他にも数名のメンバーがいて、「事業部内でも複雑で忙しい部署」と言われるこの部署でハードな仕事をこなしている。
この部署は、かなり忙しく仕事も複雑なので社員が入ってきてもすぐに辞めてしまうことも多かった。それが今のメンバーになってからは安定している。



社内監査が終わったある日。社内監査の結果を聞くため会議室に事務メンバーが呼ばれた。
この瞬間は何年経っても緊張する。
「結論から言うと指摘事項がありました。特にこの書類は重い指摘だと厳しく言われています。」
と課長が話し始めた。
「この担当は佐藤さんだから、佐藤さんの確認漏れ。それから、チームリーダーである相田さんの責任でもあるからね。」
私の名前を言われて固まってしまった。
チームリーダーである相田さんの責任、その言葉に顔を上げることもできなかった。
課長はこう続けた。
「相田さんは時短勤務だけど、それは言い訳にならないよ。」
そう言われて、頭の中が真っ白になる。
その後のことはショックであまり記憶がないのだけれど、部長も同じような発言をしていたと思う。
会議室を後にして、動揺した頭でどうにかその日の仕事を終えた。


これまで社内監査での指摘事項はあったけれど、
「事務リーダーの責任」と言われたのは初めてだった。
では、どうすれば防げたのだろうか。私が全ての書類を確認すればよかったのだろうか。印鑑漏れがないようみんなに毎日言うべきだったのだろうか。
動揺のあまり、帰りの電車で見当違いな考えを展開していた。
のちに冷静になり思い返すと、課長が言わんとしていたことも理解できる。
一番強烈な衝撃を与えたのが『時短勤務は言い訳にならないよ』だった。
この言葉が私の頭の中から離れなかった。
時短勤務でも残業や休日出勤で担当業務をこなし、
リーダーとしての仕事も「なんとか」やっている。
「言い訳」にならないようにやっていた「つもり」なのに。
涙は出なかった。電車の中では。
保育園に着くまでには涙を乾かさなくては・・・。


「ママ、アンパンマンの歌、歌おう〜!」
マイナス思考でくよくよいつまでも悩むタイプの私にとって、仕事の後、育児があることはよかったのかもしれない。
仕事が終わって子供と過ごすようになってからは、仕事のことをばかり考えることはなくなった。
娘が、お気に入りのアンパンマンの歌が流れるおもちゃを持って来て一緒に歌おうと言うのだ。
「もし、自信をなくして、いいことだけ、いいことだけ思い出せ〜」
娘とアンパンマンの歌を歌う。
歌いながら涙声になる。
本当に娘がいてよかった。仕事で落ち込んだ時に「いいことだけ思い出す」なんて考えることもできなかったから。
娘と過ごす夜でまた翌日の元気をチャージする。


事態がいっそう悪化したのは、この日の出来事が大きく影響していた。
この日の私はとにかく疲れきっていた。
明日は早く迎えに行って、娘とたっぷり過ごそう。
でも、明日も時間通りに終わりそうにない。


お迎え、間に合うかな・・・。


つづく・・・

*余裕なしワーママを変えた幸せな両立テクをまとめました↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?