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【連載】お迎え、間に合うかな・・・2017.6

会社員ワーママ として
育休後アドバイザーとして
育児と仕事の両立に役立つ情報、
日々のことを発信しているワーママaiです。


仕事と育児の両立に苦戦した日々の記録を
ストーリー形式で振り返っていきます。

1.お迎え、間に合うかな… 2017.01 
⒉ お迎え、間に合うかな… 2017.02
3.お迎え、間に合うかな… 2017.03
4.お迎え、間に合うかな… 2017.04①
5.お迎え、間に合うかな… 2017.04
6.お迎え、間に合うかな… 2017.05



2017年6月

私には中学生の頃のからの親友がいる。
親友まいちゃんは二人の子供がいる。上の子は私の娘と歳も近い。
彼女は、学生の頃から優秀、総合職で入社し、バリバリ仕事もこなしていた。
一方、私は、学生の頃からごく普通の成績、一般職で入社、いわゆる普通のOLに。
彼女は、結婚を機に務めていた会社を退職、出産後は専業主婦に。
まいちゃんの務めていた会社は、かなりバリバリ働く環境だったという。
そのため子育てと仕事の両立はできなかったので辞めたと話していた。
私はというと、出産後もそのまま仕事を続け「ワーママ」になった。
第三者からみると、まいちゃんはそのまま仕事を続けるようなイメージを持つだろう。私もそんな風に思っていた。
いろいろな要因や環境が影響し、今のような状況になっている。
私の場合、「ワーママ」といってもバリバリのキャリアウーマンではなく、気がついたら「ワーママになっていた」のが本音だ。



「晴れてよかったね!あー、走らないで!」
まいちゃんは下の子を追って走り出した。
今日は、私の娘、まいちゃん親子と大きな公園に来ている。
お互いの自宅は電車で1時間半ほど離れている。
出産後、お互いの住まいの中間地点であるこの大きな公園でお弁当を持って、ピクニックするのが恒例になった。
「なかなか会えなかったから、久しぶりだよね。みい、こぼさないでねー。」
まいちゃんは下の子に水分補給をさせながら私に言った。
まいちゃんはすっかり二児のママの顔だ。
「そうだね。ゆいちゃんは幼稚園に入園してどう?慣れた?」
私は、子どもたちが砂遊びをはじめたので砂場のふちに座った。
「ゆい、人見知りだから泣いて通う日もあるんだよ〜。そうそう、私、幼稚園のママさんバレー部に入ったんだ。知り合い増えるかなと思って。」
まいちゃんは学生の頃から、友達も多く積極的だった。今もそれは変わっていない。
「相ちゃんはどう?忙しい?」
「・・・うん、そうだね、忙しい、かな。」
実際にはかなり忙しいのに、こんな風に答えたことには理由がある。
まいちゃんに大変な面ばかりみせることに躊躇してしまう。
もちろん、まいちゃんは労ってくれると思うけれども、「大変」=「不幸」と思われるのでは?と余計な考えをしてしまう自分がいた。
まいちゃんは信頼できる親友なのに・・・。
私は、まいちゃんに申し訳なく思った。
そう聞いてくれたのは、私がいつもより元気がないことに気がついたのかもしれない。
仕事の話しはしないようにしているけれど、私は思い切って相談してみることにした。
「実はね、仕事のことで相談があるんだ。聞いてもらってもいいかな?」
「うん、もちろんだよ。どうしたの?」
まいちゃんの答えにほっとして私は口を開いた。
「今、事務のリーダーなんだ。チームメンバーのミスがあって、課長に責任は私にもあるって言われてかなりショックだったんだよね・・・。知っていると思うけれど、もともとリーダー向きじゃないから、今はリーダーが重荷なんだ。」
まいちゃんは、結婚前まで働いていた会社では人事などの部署も経験している。
いろいろな人材と出会ったり、人事面でのリーダーについての知識もあるかもしれない。
「そっかぁ、それは辛いよね。リーダーはやっぱり向き不向きあるしね。うちのパパも昇進する話しがあるらしいけれど、現場の仕事がやりたいし部下を引っ張ったり、指導するのは好きじゃないって言ってるんだよ。私は無理に昇進してやりたくない仕事をやる必要はないって言ったんだ。ほら、うちのパパそういうの苦手そうじゃん?相ちゃんも、苦手とか重荷とか思っているのなら無理しないほうがいいかもね。」
さすが、まいちゃんだ。
的確に、かつ、分かりやすい例まで出して私の悩みにズバッと気持ちのいい回答を述べた。
「やっぱり、そうだよね・・・。ありがとう、聞いてくれて。あ、もうこんな時間だね。」
話しを聞いてもらえて、アドバイスしてもらってよかった。
まいちゃんに感謝の気持ちでいっぱいだった。
元気を取り戻した私は、子どもたちに声をかける。
「お弁当食べるひと〜?」
「はーい !」
子どもたちの返事にまいちゃんも私も笑顔で立ち上がった。



さらに、私の決心を後押ししたのはある本だった。
「幸せなワーキングマザーになる方法ーポジティブ心理学で手に入れる最高のワークライフバランスー」(キャシー・L・グリーンバーグ、バレット・S・アヴィグドル著)だ。
題名の通り、私の目標が「幸せなワーキングマザー」になることだったので迷わずこの本を手にしていた。
ポジティブ心理学をベースに自分の「幸せ」をはっきりさせることができ、自分の考えに自信を持つこともできた。
この書籍は、海外のワーキングマザー1000人の経験をもとにしている。
彼女たちの事例が私の考え方や働き方にも影響を与えた。
例えば、出張の多い仕事を持つワーママが上司と相談し、一定期間出張を制限してもらうよう交渉するという事例や、自信のキャリア計画を考え、夫の協力やその他のサポートでキャリアを積む事例、一定期間仕事のペースを落とし、子どもが小学生にあがった時点でキャリアアップに向けて仕事のペースを上げる事例などだ。
それぞれの考え方やキャリアプランがあって当たり前で、それを大切にすることの重要性を知った。
私の場合は・・・。



「相田さん、大丈夫ですか?」
増田さんの声でハッとした。
終わらない書類に取り掛かっていると、増田さんが心配して声をかけてくれた。
「ありがとう、もうすぐ上がれると思うから・・・。」
斜め向かいの席を見ると復職して3週間経った小野さんもまだ残っていた。
実は、小野さんが復職した後も、業務はまだ多く忙しいのが現状だった。
小野さんは4年間のブランクがあるため業務量を調整しているけれど、小野さんはやはり慣れるまで時間がかかっているようだった。
リーダーである私が小野さんをフォローすべきなのだが、私も自分の業務を終わらせるだけで定時になってしまうのが現状だ。
小野さんに申し訳ないと思いつつ、自分の力と心の限界を感じていた。
私は、ある決心をしていた。
間もなく行われる課長との面談で、伝えようと決めていることがあった。


今日はあと少し時間がかかりそうだ。さっきかかって来た電話の件の処理もしなければいけない・・・。


お迎え、間に合うかな・・・。


つづく・・・
*余裕なしワーママを変えた幸せな両立テクをまとめました↓





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