伊藤 千展@おしっこ問題✖️鍼灸

京都にて おしっこトラブル(難治性の過活動膀胱、間質性膀胱炎、慢性前立腺炎)に特化した…

伊藤 千展@おしっこ問題✖️鍼灸

京都にて おしっこトラブル(難治性の過活動膀胱、間質性膀胱炎、慢性前立腺炎)に特化した鍼灸院を営んでおります。 泌尿器科✖️鍼灸の統合医療を目指して活動中!今春より鍼灸専門学校での講師も兼任💡 はり師きゅう師(鍼灸学修士)、排尿機能検査士、左サイドバック⚽️

最近の記事

おしっこ問題を抱える男性において慢性前立腺炎を発症しやすい要因とは!?

今回も慢性前立腺/慢性骨盤痛症候群の新たな知見に関して、noteしたいと思います。 今日は鍼灸とは関係の無い内容ですが、下部尿路症状に対する鍼灸施術において、我々鍼灸師も知っておくべき大切な知見と感じたので紹介したいと思います。 2022年のInternational Journal of Urologyに掲載された、名古屋大学のグループによる報告です。 私の知る限り、おそらく国内では初めての、慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群を対象としたウロダイナミクス(尿流動態検査)の所

    • 慢性前立腺炎に対する鍼と薬物療法、どっちが効果的なのか?

      2023あけましておめでとうございます🎍 新年初投稿です。 本年も烏丸いとう鍼灸院をどうぞよろしくお願い致します^ ^ 本noteでは、今年も主に間質性膀胱炎/膀胱痛症候群(IC/BPS)と慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS)を中心に、おしっこ問題に関する新たな知見について、ゆるりと発信していきたいと思います😊 本記事を読んで来院されたり、遠方から当院LINEにお問合せを頂く患者さんもあり、とても励みになっています💡ありがとうございます。 慢性前立腺炎に対す

      • 男性の間質性膀胱炎、慢性前立腺炎に対する新たな鍼刺激部位の探索

        こんにちは💡 11月に入り、ここ京都も気温が急激に下がって参りました! 寒暖差の大きくなるこの時期、毎年のことですが… 当院では、頻尿症状もさることながら、会陰部周辺の痛み・不快感の悪化を主訴に来院される患者さんが増えており、やはり寒さが下部尿路に与える影響は大きいのだろう、と感じるところであります。 家を出る前、寒さ対策バッチリ備えていきましょう! さて今回は、男性の間質性膀胱炎、慢性前立腺炎に対する、鍼施術のターゲットとなる部位について、神経の走行を元に考えてみた

        • 当院での慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群に対する鍼治療効果に関する観察研究

          こんにちは💡 烏丸いとう鍼灸院の伊藤です💡 ちょっと時間経過してしまいましたが… 今月初旬に参加した、第29回 排尿機能学会(札幌)において、当院が行なった『薬物治療抵抗性の慢性前立腺炎 / 慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS)に対する鍼治療の研究報告』について振り返りたいと思います。 慢性前立腺炎でお悩みの患者さんは、専門の医療機関や、標準治療から民間療法に至るまで、色々な治療方法を模索されていることと思います。 その中で「鍼灸院」での治療が候補の1つに挙がっている方

        おしっこ問題を抱える男性において慢性前立腺炎を発症しやすい要因とは!?

          札幌の旅 -学会発表と講義へ-

          こんにちは〜随分と更新が開いてしましました… 日々の診療と専門学校の講義で一杯一杯💦… サラリとこなせるようになりたいものですね。 8月は専門学校は、夏季休暇期間で講義が無いのでひと段落ですが、プライベートは何かと忙しく、結局ゆっくりできることはありませんでした。 そして先日9/1〜4は自院のお休みを頂き、札幌を訪れておりました💡 涼しくて、湿度も低くて快適ですね〜!最高です。 さて、札幌に来た目的はコチラでした💡 第29回 排尿機能学会。 オシッコの専門家が集う学会で

          札幌の旅 -学会発表と講義へ-

          間質性膀胱炎や慢性前立腺炎に伴う陰部神経領域の痛みに関して

          今日は間質性膀胱炎や慢性前立腺炎に伴う 「陰部神経領域の痛み」について私見を書いてみようと思います。 当院に来院される間質性膀胱炎や慢性前立腺炎の方のほとんどは、泌尿器科での治療で改善の無かった方々ですので、難治例が大半と言えるでしょう。 鍼治療で劇的に改善する方もありますが、頭を抱えてしまうコトも実際あります。。 その悩みの1つは、前述の「陰部神経の痛み」です。 陰部神経とは、外陰部一帯・尿道・肛門などの知覚を司り、また肛門や尿道の括約筋の支配も担う体性神経の1つです

          間質性膀胱炎や慢性前立腺炎に伴う陰部神経領域の痛みに関して

          間質性膀胱炎と膀胱痛症候群で鍼灸治療効果は異なる?

          間質性膀胱炎に対する鍼灸治療は膀胱上皮の病変により異なるのか? 2021年、初の治療薬”ジムソ”(ジメチルスルフォキシド/DMSO)の登場により、グッと高まってきた感のある間質性膀胱炎の認知度💡 ですが、まだまだ全ての患者さんが症状から解放される、とは行かず、さまざまな補完代替医療・民間療法を併用している患者さんが多い印象です。 今回は補完代替医療の中でも、ひときわ良質なエビデンスが集積されつつある鍼灸治療について、私見に基づき解説していきたいと思います。 当院での間

          間質性膀胱炎と膀胱痛症候群で鍼灸治療効果は異なる?

          慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群は男性不妊症の原因になりうる?

          これまでのまとめ 過去2回にわたり、慢性前立腺炎により生じる下部尿路症状には2つの病態があることを述べました。 具体的には ●蓄尿症状(頻尿・尿意切迫感などをはじめとする過活動膀胱症状) ●排尿症状(尿勢低下など) がありました。 慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群の病因分類 近年、慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS)は以下の様な、 "UPOINTS" と表現される病因分類が提唱されており、 どの分類要素が認められるのかによって、適切な治療選択をすべ

          慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群は男性不妊症の原因になりうる?

          慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群に対する鍼治療効果はハリの深さで異なる?

          はじめに近年、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎を含めた慢性骨盤痛症候群における鍼の良質な臨床研究は増えてきており、欧州泌尿器科学会(EAU)における診療ガイドラインでは、"慢性骨盤痛症候群に対して鍼治療を推奨する"、というレベルにまで高まってきました。 しかしながら、どのような鍼治療の手法がより効果的なのかは、現時点ではまだ結論が出ておらず、検証の余地があります。 さらに、日本国内の鍼灸治療にはたくさんの流派があり、鍼の使い方は様々です。 1度の治療でたくさん鍼を使う先生もあ

          慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群に対する鍼治療効果はハリの深さで異なる?

          慢性前立腺炎 / 慢性骨盤痛症候群で生じる排尿困難・尿勢低下について考える

          前回記事では、慢性前立腺炎 / 慢性骨盤痛症候群における頻尿・尿意切迫感はどうして起こるのか?ということを考察してみました。 コメント、シェアを頂いたりとても励みになりました💡 慢性前立腺炎 / 慢性骨盤痛症候群で生じる もう一つのオシッコ問題 今回は、慢性前立腺炎 / 慢性骨盤痛症候群で生じる、 もう1つの下部尿路症状 「尿排出障害」 について考えてみようと思います。 んん?「頻尿(蓄尿障害)」と「尿が出しにくい(尿排出障害)」? 一見、真逆に見えますね。

          慢性前立腺炎 / 慢性骨盤痛症候群で生じる排尿困難・尿勢低下について考える

          なぜ慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群で頻尿になる?

          「慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群で頻尿になるのは何で?」 と患者さんや鍼灸師の先生からも聞かれることがあります。 「そういうもんですよ〜。」と はぐらかすことが多いのですが… ^^; それは慢性前立腺炎では、外陰部・骨盤帯の痛み・不快感が主徴ですが、一方で下部尿路機能障害をも包含する症状症候群であり、頻尿(蓄尿障害)になる場合もあれば、逆に排尿障害(出しにくい)を呈することもあるからです。 今回は頻尿について少し考察してみたいと思います。 慢性前立腺炎で頻尿になる原

          なぜ慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群で頻尿になる?

          慢性前立腺炎 / 慢性骨盤痛症候群に対する鍼治療の検討

          久しぶりに今年の鍼灸学会に演題登録してみました〜(本日締切) かれこれ全日本鍼灸学会に出すのは8年ぶり。。^^; 最近、国際的に注目度が高まってきている慢性前立腺炎(Chronic Prostatitis : CP / Chronic Pelvic Pain Syndrome : CPPS)に対する鍼治療について発表予定です。 近頃は泌尿器科系の学会に報告することが中心だったのですが、今年から鍼灸専門学校教員を兼務していることもあり、鍼灸学会にも積極的に参加せなアカンな

          慢性前立腺炎 / 慢性骨盤痛症候群に対する鍼治療の検討

          最終回 おしっこトラブルの見極め方(症例検討編その3)

          ども!京都のあごげんです〜💡 あっちゅう間の11月後半ですね💦残すところ2021も1ヶ月! HAMT読者の皆さんにとってどんな1年だったでしょうか。 未曾有のパンデミックも、もう丸2年ですか… 引き続き目まぐるしく移り変わる情勢に、おそらく多くの方にとって挑戦の1年だったことと思います。 あごげんはと言えば、HAMT連載に始まり、春から専門学校の教員兼務…自院も忙しくなり…もがくもがく 自分にとっても多くの局面で挑戦の連続でした。 忙しい中でも、思考停止にならず

          最終回 おしっこトラブルの見極め方(症例検討編その3)

          第9回 おしっこトラブルを見極めよう(症例検討編その2)

          ども!京都のあごげんです〜💡 10月下旬、朝晩ヒヤっとしてきましたね〜 この冷えだす時期、あごげん鍼灸院ではおしっこトラブルの新患さんがいちばん増える時期でもあります。 なぜか12月とか冬本番よりも、今の時期なんですよね。 …何でかは分かりません笑 さて今回は「症例検討編その2」です😃 おしっこトラブルとの遭遇に備えて、今回もしっかり学んでいきましょう! おさらい前回は、尿失禁を伴う女性の過活動膀胱症例を提示し、症状質問表や排尿日誌から、どう病態を捉えていくのか

          第9回 おしっこトラブルを見極めよう(症例検討編その2)

          第8回 おしっこトラブルを見極めよう(症例検討編その1)

          ども!京都からあごげんがお送りします〜💡 さて、本おしっこ連載は、この症例検討編で締め括りとなります💡 HAMT大学おしっこ学科を無事修了できるか、ココが胆ですよ! 症例検討編では3回に渡り、3つのおしっこ症例を提示したいと思います💡 皆さんも一緒に考えましょう😃 ほないくで〜 おさらい前回はおしっこトラブルの蓄尿症状と排尿症状の見極めに、症状質問表と排尿日誌を活用しましょう、というお話をしました。 では今回は蓄尿症状の実例をもとに、得られた評価内容から、どう病

          第8回 おしっこトラブルを見極めよう(症例検討編その1)

          第7回 おしっこトラブルを見極めよう(方法編)

          ども!いや〜暑い!猛暑の京都からあごげんがお送りします! さて、おしっこ連載も残すところ2回! 第1回に掲げた目標を思い出して、これに向かって気合入れて、ほないきましょ〜! 『排尿の問題を泌尿器科学的にアセスメント出来る鍼灸師になる!』 1. おしっこトラブルを見極める方法を知ろう皆さん、これまで様々なおしっこトラブルを学び、それぞれの病態は何となく分かってきたかと思います。では、実際の患者さんを前にどのように見極めていけば良いのでしょうか? 今回は、鍼灸院でも出来

          第7回 おしっこトラブルを見極めよう(方法編)