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慢性前立腺炎 / 慢性骨盤痛症候群に対する鍼治療の検討

久しぶりに今年の鍼灸学会に演題登録してみました〜(本日締切)

かれこれ全日本鍼灸学会に出すのは8年ぶり。。^^;


最近、国際的に注目度が高まってきている慢性前立腺炎(Chronic Prostatitis : CP / Chronic Pelvic Pain Syndrome : CPPS)に対する鍼治療について発表予定です。


近頃は泌尿器科系の学会に報告することが中心だったのですが、今年から鍼灸専門学校教員を兼務していることもあり、鍼灸学会にも積極的に参加せなアカンな〜と思った次第です。


今回のテーマ『現代医療における鍼灸の役割』

なかなか背筋の伸びる響きですね…

泌尿器科疾患を中心にやっている身としても、コレは出さねば!

って気持ちになる表題です。

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内容としては、当院に来院された薬剤抵抗性の慢性前立腺炎患者さん、50例ほど集積した内容を、まとめてみました。

ふと思い返すと、今まで主に間質性膀胱炎の報告を中心に取り組んできたので、慢性前立腺炎で報告するのは初めてです〜


ざっくり言うと、今回は

慢性前立腺炎患者さんを2群にグループ分けし、

鍼治療効果の差異について比較検討する

という内容にしてみました。


慢性前立腺炎の患者さんは、当然のことながら外陰部や骨盤部の「痛み」を主訴として鍼灸院に来院されることが主だと思いますが、じつは高率に合併しているのが「下部尿路症状」です。

下部尿路症状とは、LUTS (Lower Urinary Truct Symptoms)とも略される、おしっこが近い、尿意切迫感、おしっこが出しにくいなどの症状です。

実際に軽度のものも含めると90%以上の患者さんで頻尿や排出障害を自覚していることが分かりました。

痛いし、おしっこトラブルも伴うホントに厄介な病気です。

図1

では、この2群で

鍼治療の効きかたに差はあるのでしょうか?

どれくらいの期間、鍼治療をすべきでしょうか?

生活の質に悪影響を与えるのはどちらでしょうか?


いろんな疑問を日々感じていました。


そこで慢性前立腺炎の患者さんを、

①痛みだけの群

②痛みに加え、下部尿路症状が顕在化している群

に分け、鍼治療効果について検討してみました。

。。。

。。。

実際にまとめてみると、日々の診療で感じていることがキチンとデータに現れて、スッキリしました。

やはり、集積データをまとめ、考察する作業は、日常何気なく感じている疑問を顕在化・解決するためにも大事な作業だと感じたのでした。


久々にリアル学会楽しみたいものですね。感染状況次第ですね。



烏丸いとう鍼灸院 伊藤千展

京都市中京区元竹田町639-1 友和ビル5F
TEL: 075-555-7224



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