息子の捜索
駄菓子屋は近くの子供達に認知され楽しみの場所になりつつある。
ただおっちゃんの圧が徐々に増してくる。
そりゃそうだ。
おっちゃんとしては
「息子と繋いで欲しい」
これが一番！
おっちゃんが別れ際に
「寺さん、私はもう長くないからなるべく早めによろしく」
¨は、はい……¨
この日は22時からDJイベントのために渋谷のクラブにいく。おれのSNSを見た知り合いが、DJをやってた？やってる？オッサン（息子）の手掛かりになればと誘ってくれた。
狙いとしてはDJ繋がりでオッサンの知り合いにたどり着けば、その知り合いに事情を説明してオッサンに伝えてもらい、おっちゃんとオッサンの交差にもっていきたい。
しかし……渋谷って……クラブって……苦手だ……
だがそうもいってられない！
サラダチキン食ってテンション上げていざ渋谷へ！
イベントに誘ってくれた知り合いと合い、その人がガンガン紹介してくれる。おれは事情を話し、画像みせたりして
「○○さん（オッサン）知らないですか？」
を繰り返す。
やはりそう簡単に奇跡は起きず誰もが首を傾げるが、皆優しくいろんなDJの人に聞いてみてくれるとのこと。有り難いね。
終電近くになったのでクラブをあとにして一人になってふと思う。
おっちゃん（父）の想いをくんでおれは動いているが、オッサン（息子）の想いは……オッサンは本当に心底会いたくなかったとしたらおれの行動はただの迷惑の可能性がある。
……難しいなぁ人間って……
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