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和合亮一さんの「詩の礫」から派生した 礫を起点に波紋のよう奇想は巡る
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#汗

人間と胡瓜

人間と胡瓜

Tシャツの脇汗のしみが

恥ずかしくて

腕組みしながら

両手を

脇の下に滑り込ませては

みたものの

これは

かえって

逆効果

汗は止まるどころか

自分の熱で

また汗が染み出してくる

いっそ

全部濡れてしまえばいい

ライブ

アライブ

私は永久機関

熱は冷めない

夢も覚めない

表現下(ひょうげんした)

表現下(ひょうげんした)

汗をかく
汗で描く
流しながら描いた
夏場はドバドバドバっと滝のように
冬場は鹿威しがカポンと音が鳴るように
身体をつたって蒸発して消える
水彩我
擦って
拭って
ブルブルと
頭を揺らして
軌跡は遺らない
ドローイング
斬って
裂いて
空気
零れ落ちた私

視えるか?
この表現を
視えるのか?
この存在を

大袈裟に世界なんて言わんでも
残滓を遺して
残像を映して

今は
ここに
いる

nowh

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ワタシ機関

ワタシ機関

汗腺が全開に開け放たれた
滴る汗は無限の泉のようだが
貯水率には限界のある私は
補給しなくてはいけない常に
循環している水は
私の身体を駆け巡って
私という機関は熱を帯びると
汗をかき体温を調節し適正な温度を保つ
毎日
毎日
額で
腋で
つどつど
測定する体温計
レコーディング
記録する
アーカイブ
記憶する
身体から立ち込める水蒸気
私は爆発寸前なのかもしれない