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和合亮一さんの「詩の礫」から派生した 礫を起点に波紋のよう奇想は巡る
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2023年7月の記事一覧

テンハニブツヲアタエル【絲人展てんをうつ】

テンハニブツヲアタエル【絲人展てんをうつ】

旗を掲げる

てんをうつ
てん
てん
てん
天は二物を与えず
風が吹いている
桶屋が儲かってしまう
因果の話だ
運命なんて信じない

あなたは信じている
あなたを信じていないって

てん
それだけであれば
それはコンパスで
突き立てられた穴に過ぎない
刺す
差した 
指し示した
ぐるりと円を描く
内側と外側にわかれた
わかれたくなかったのに
嘆いた
あなたは
疾走りだして線になる

とまらない流

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可惜夜喜多方

可惜夜喜多方

明けてしまうのが惜しい夜
そんな夜はそうそう無いし
そういえばいくつもの夜を使い果たしたし
せっかくの楽しさも眠気にかまけて夢うつつ
ああでも雰囲気は覚えているさ
12月の凍てつく真夜中
パーティーから抜け出して
3月のライオンの新刊を買いに行った
コンビニには
夜を持て余した
似たような私たちが佇んでいた
おでんも食べてこう
小腹を満たして
ゲストの前には戻らなくっちゃ

またみんなで集まって飲

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晴天に掲げる

晴天に掲げる

こんなにもいい天気
いい天気が晴れの日に限るだなんて
人間のエゴなのは百も承知で
言ってしまおう
そんなピーカンの日にこそ傘をひらこう

雨が降っていたら傘をさす
濡れるからだ
紫外線が降り注いでいたら
傘をさしたらいいのに
過剰な直射日光は
でも大丈夫
だなんて
根拠もなく棚上げしてしまってそのままさ
降っている
つもらない
えんとろぴー