足立直樹/ADACHI Naoki, PhD

すべての組織と地域を持続可能に! 生物多様性や食をキーワードに、持続可能な経営をサポー…

足立直樹/ADACHI Naoki, PhD

すべての組織と地域を持続可能に! 生物多様性や食をキーワードに、持続可能な経営をサポートしています。それに関連して、組織経営、地方創生、地域活性化も支援します。

最近の記事

《サス経》 グリーンウオッシュは歓迎すべきこと!?

 最近よく耳にするようになったのがグリーンウォッシュ問題です。グリーンウォッシュは、環境への配慮を装ったり、事実と異なる広告を通じて環境に対する真のコミットメントを欺く手法を指します。ここ数年、ヨーロッパやアメリカを中心に、この問題に対する規制が厳しくなり、企業の環境への姿勢が詳細に検証されるようになりました。  例えば、2021年にはイギリスで競争・市場庁(CMA)がグリーン・クレーム・コードを発表し、グリーンウォッシュに対する規制が強化されました。これにより、企業は環境

    • 《サス経》今年初めの教訓

       おはようございます、レスポンスアビリティの足立です。今日の新月に合わせて今年初めてのメールマガジンをお送りします。今年もほぼ新月と満月に旬のサステナビリティに関する情報をお送りしますので、ご参考にしていただければ嬉しく思います。 #この書き出しでわかるように、この記事は今年最初に発行したメールマガジンの記事の転載です。  個別にメールで年賀のご挨拶を差し上げた方も多いと思いますが、まだの方はこちらをご覧いただければと思います。 「2024年 新春のご挨拶」  さて

      • 《サス経》 2023年は昭和最後の年に

         前回のメールマガジンはCOP28会期終了の直前に発行しました。化石燃料からの「段階的廃止」に合意することが絶望視される中でしたので、やや悲観的な予想をお送りしました。ところがその後、議長国のUAEが頑張り、会期を延長して化石燃料からの「脱却を進める」という微妙な表現で合意に持ち込みました。なんとかこのような合意に達したことはとても素晴らしいと思います。  ただし、これが本当に実効的なものになるかどうかは予断を許しませんし、私たちがギリギリのところに追い込まれているという

        • 《サス経》 COP28をあなたはどう評価しますか?

           気候変動枠組条約のCOP28の会期が昨日(※)まででしたので、今日はその結果について簡単に報告するつもりでした。ところが合意文章になかなか合意できず、会期が延長となっています。どうやらこのままでは「化石燃料を段階的に廃止する」という当初の案に合意することは難しそうで、「削減する」というきわめて弱い表現になってしまいそうです。  この結果については、あなたはどう感じられたでしょうか?  ちょっと考えてみてください。  私は、この結果をどう感じるかで、自分が長期的な視

        《サス経》 グリーンウオッシュは歓迎すべきこと!?

          《サス経》 最初の一歩はグリーンウォッシュ!?

           最近いろいろなところでグリーンウォッシュについて聞くことが増えてきました。多くの国でグリーンウォッシュに対する警戒が増え、そして実際にそれを規制するルールが作られたり、線引きが厳しくなっていることと関連しているでしょう。  おそらく最も多いのはカーボンニュートラルやネットゼロなどの主張に関するものであり、そしてカーボンクレジットに対する疑義もあります。  そこで国連がネットゼロについての厳密な定義を作ることになったり、アメリカやEUはグリーンウォッシュ全般に対するル

          《サス経》 最初の一歩はグリーンウォッシュ!?

          《サス経》 ネイチャーポジティブに貢献する企業になるには

           今回は「企業と生物多様性」にご興味をお持ちの方向けのちょっと専門的な話題となりますが、この分野に興味がある方には、非常に重要な情報になるはずです。また、もし生物多様性は直接の担当でなくても、この課題についての世界の状況を垣間見るのには良い機会になるでしょう。そういう興味のある方もぜひお読みください。 生物多様性の情報開示はまったなし  企業で生物多様性のご担当の方であれば、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)への対応準備で苦労なさっている方も多いと思います。1

          《サス経》 ネイチャーポジティブに貢献する企業になるには

          《サス経》 ターゲットにされた100社

           9月にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の最終提言が発表になって以来、生物多様性への企業の関心がさらに高まっているように思います。最終提言を丁寧に読み込んで、具体的な行動を起こそうとしている方も多いでしょう。分厚くて大変でしょうが頑張ってください。  さて、ご存知の方も多いと思いますが、TNFDは現在、この最終提言にしたがって情報開示する企業を募集しています。宣言した企業をTNFDが集計し、来年1月のダボス会議で発表するとのことです。どんな顔ぶれになるのか楽

          《サス経》 ターゲットにされた100社

          《サス経》 カーボンニュートラルが現実になった日

           カーボンニュートラルは、今や多くの企業が目指す当然のゴールとなりました。とは言っても、自社で直接排出する、あるいは使用するエネルギーを通じて間接的に排出する温室効果ガス(GHG)の削減については取り組みを進めていても、それ以外のいわゆるスコープ3については、まだ多くの企業が手をつけられていないのではないかと思います。サプライヤーにもカーボンニュートラルを求めなくてはいけないからです。 サプライヤーへもカーボンニュートラルを求める時代へ  一方で、世界の先進企業では、サ

          《サス経》 カーボンニュートラルが現実になった日

          《サス経》 満月の中で見えたもの

           先週の金曜日(※)が満月と同時に中秋の名月であったのは、皆さんもニュースなどでお聞きかと思います。中秋の名月が満月とぴったり重なることは必ずしも多くはないそうですが、今回はその珍しく一致する日でした。幸いにも京都では雲一つない快晴で、明るい満月をたっぷりと楽しむことができました。皆さまの場所ではいかがだったでしょうか? ※この記事を掲載したメールマガジンを発行したの前週の金曜日です。 お寺で名月を楽しむということ  京都ではいろいろなところで名月を楽しむ催しが開催され

          《サス経》 満月の中で見えたもの

          《サス経》 TNFDの本当の意味を知っていますか?

           今週17日(※)からの24日までの1週間は、国連総会の開催に合わせてニューヨーク市で「ニューヨーク気候ウィーク」が開催されます。世界中から関係者が集まり、気候危機を中心に様々な問題についての進展の報告とこれからの計画などが発表されます。日本にいるとその熱気はなかなか分かりませんが、専門メディアの報道や現地にいる知人・友人のSNSのポストを見ると、大変に盛り上がっているようです。 ※:この記事の初出は2023年9月19日です。 TNFDのVer.1.0がいよいよ発表される

          《サス経》 TNFDの本当の意味を知っていますか?

          《サス経》 異国で見る月

          アマゾンの入り口で見た満月  昨夜の満月は今年最大の大きさだったそうですが、皆さんのところではどのように見えたでしょうか? (※昨夜とは、このメルマガを出す前夜、2023年8月31日の夜のことです)  実は私はこの満月を、ブラジルのベレン郊外の夜道から見ました。ベレンと言ってもご存知ない方が多いと思いますが、来年の気候変動枠組条約のCOP30が開催される都市です。ブラジルはパラー州の州都で、アマゾンの入り口と言ってもいいかもしれません。  隣接する都市を含めると人口

          《サス経》 異国で見る月

          《サス経》 培養肉の時代が到来!?

           今回お話しするのは培養肉です。日本でも最近、昆虫食やプラントベースミートなど、いわゆる代替タンパクが話題になっています。培養肉はこれに対して、動物の細胞から培養するという意味ではより本物の肉に近い代替肉です。 環境負荷が高い肉食  こうした代替タンパクが求められるのは、動物福祉などの視点もありますが、肉食の環境負荷が高いことが知られるようになり、それに配慮して肉食を避けるベジタリアンが増えていることが理由の一つです。それ以外にも、より健康的であるとか、食中毒等の危険が少

          《サス経》 培養肉の時代が到来!?

          《サス経》 もはや1.5度目標の達成は不可能!?

           こんにちは、サステナブル経営アドバイザーの足立です。今日が満月ですので、これに合わせて旬のサステナビリティの話題をお届けしたいと思います。 12万年で最も暑い年!?  それにしても毎日本当に暑い日が続きます。京都では連日最高気温が体温よりも高い状態です。こうなると、とにかく建物の外に出る時間は最小にしたいと思うばかりです。お仕事で外出せざるを得ない方は、どうぞくれぐれもご用心なさってください。  このように、実感として気温が高くなってきていることを感じている方は多

          《サス経》 もはや1.5度目標の達成は不可能!?

          《サス経》 森林破壊に加担しないことがビジネスの常識に

           今回取り上げるのは、5月にEU理事会が採択した森林破壊と森林劣化に関する規則についてです。 Council adopts new rules to cut deforestation worldwide (European Council)  なぜここで欧州の規則を取り上げるのかと言えば、これは日本の企業にも今後非常に大きな影響を与えるであろうことが第一点、さらに言えば、これが世界のビジネスのルールや考え方の方向性が大きく変わる変化点になる可能性が高いと考えるからです

          《サス経》 森林破壊に加担しないことがビジネスの常識に

          《サス経》 なんでこうなる日本の順位

          日本の女性活躍度は…  G7サミット関連で先週25-26日に男女共同参画・女性活躍相会合が日光市で開催されました。その際、日本以外の国はすべて女性閣僚が参加したのですが、議長を務める日本の大臣は小倉將信氏で男性でした。もちろん男性だからといってそれだけで問題にはならないのですが、これが日本の苦しい状況を代弁しているのではないかと、海外のいくつかのメディアにも皮肉られてしまったようです。  日本において女性活用があまり進んでいない、はっきり言えば極めて遅れているということは

          《サス経》 なんでこうなる日本の順位

          《サス経》 アジサイと言えば…

           このシーズンは、街中のいたるところでアジサイの花を見かけます。最近はいろいろな園芸品種が多く流通しており、色だけでなく、形のバラエティも一層多様になったような気がします。もっともポピュラーなホンアジサイは、ガクアジサイという日本原産のアジサイが品種改良されたものです。それが海外に渡ってさらに品種改良を受け、最近はそれが逆輸入されているたようです。  ところで、この時期、イラストなどでアジサイと一緒によく描かれるのがカタツムリです。ところがこちらの方は、最近すっかり見かけ

          《サス経》 アジサイと言えば…