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#長編小説

『同士少女よ、敵を撃て』の感想とレビュー|侵攻されるロシア側から見た戦争

『同士少女よ、敵を撃て』の感想とレビュー|侵攻されるロシア側から見た戦争

逢坂冬馬先生の「同士少女よ、敵を撃て」を読んで。
(アガサ・クリスティ賞受賞作品)

同士少女よ、敵を撃ての感想とレビュー視点が第二次世界大戦中のロシア、そのスナイパーを担う女性兵士という面白味が素晴らしく歴史的な事実を踏まえている為にどこか「本当にあったのではないか」と思わせている点も作品の良さを際立たせています。

細部に渡る戦闘描写が秀逸で実際にその場にいるような臨場感を与えてくれます。逆に

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正欲の考察|多様性とマイノリティの見方と登場人物の苦しみ ※一部ネタバレ有り

正欲の考察|多様性とマイノリティの見方と登場人物の苦しみ ※一部ネタバレ有り

今回は朝井リョウ先生の『正欲』についての考察。

考察記事の性質上、どうしてもネタバレになる部分も発生することがあるのでご理解下さい。

正欲のあらすじ登場人物が持つ「性欲」についてマジョリティとは異なる性質を持ちながら苦しむ登場人物たち。作中でも一般的とされる「異性への興奮」と更に昨今はマイノリティとして受け入れが始まってるLGBTQの存在。しかし中にはそんなものでは括れない「異常者」と世間で認

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三体Ⅰの感想とレビュー。SF小説の最高傑作の呼び声高い!映像化は確実な面白さ

三体Ⅰの感想とレビュー。SF小説の最高傑作の呼び声高い!映像化は確実な面白さ

 三体Ⅰなので三部作の序章を読んだところです。にも関わらず、もうすでに「めちゃくちゃ面白い」ものでした。SF好きには堪らない展開で、現実の世界と物理世界、そしてはっきりし始めるゲーム「三体」の意味。

 ここから先は三体Ⅰのネタバレを含みますので未読の方は先に三体Ⅰをお楽しみ下さい。

最初は中国の文革あたりの知識あると良い 本当の序盤を読む段階では「あれ?SFというよりも中国の文革あたりの歴史系

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