恋したいんじゃない、誰かを愛したかったんだ

一週間は過ぎるととても早い。一か月も過ぎたときに気づくととても早い。なのに、「我慢しろ」と言われている期限を聞くととてつもなく先に感じる。人間って不思議な生き物だなと思う。

パートナーができて、時々あれこれ振り返って思うのは、わたしは恋がしたかったわけではなく、誰かを愛したかったんだな、ということ。だから、なんだか結婚することが目標になってしまっている婚活はピンと来なかったし、マッチングアプリで付き合う人ができてはすぐに別れていた理由もなんとなくわかってきた。相手を愛せなかったからだ。

単なる胸キュンラブストーリーのドラマは、はいはいって感じでしか見れず、人と人との深い交わりのようなヒューマンドラマにぐいぐい惹かれて涙まで流すのは、きっとそういうことなのかもしれない。
なんてことをここ最近ドラマや映画を見ていて裏付けできた気がしている。

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彼がどう思っているかは聞いていないので知らない。そしていちいち聞こうとも思ってない。

連絡をくれていたのにわたしが仕事で疲れ果てて寝落ちてしまって気づかなくても、家に戻ると出てこれないと判断して(わたしもそう思う)、連絡してくるまで外で時間をつぶしてくれている。そしてそのことについて恩着せがましく言うことなど一度もない。

仕事面においても、畑違いとはいえサラリーマンという括りでいうと同じ。でも自分の能力をひけらかすことは絶対にないし、自分を卑下することもない。かつ、年下のわたしにですらちゃんと敬意を示してくれるし頼ってもくれる。

わたしが彼のことを想って勝手に行っていることですら、必ず毎回感謝してくれる。言葉に出さなくても行動で示してくれてるように感じる。本人は意図してなくても行動で示してくれてると思える波長も大事な気がする。

どれだけ忙しくて寝落ちしたとしても、必ずどんな内容でもメッセージを毎朝毎晩くれるし、会いたいから会いに来てると言ってくれる。

わたしの生活が何より第一で、彼自身のわがままで相手を振り回さないようにする気遣いがある。男性ならではのわがままは本当に出さないし、女性も一人の人間としてちゃんと捉えてくれている人間性がすばらしい。この表現が適切なのかわからないがむしろ男気があると思える。

それだけでなく、たぶんほかの誰にも見せない甘えたな部分は私にしか見せていないだろうし、その反面わたしに対してどうしてそこまで？と思うほどに尽くしてくれる一面もある。正直そこまでしてくれなくても全然大丈夫なのに？と思うほどに彼は優しい。

こういった彼が見せてくれる彼本来の姿だけではなく、いわゆる生活面での癖のようなものの波長があうところもわたしが心地よいんだとも思う。

そう、わたし自身が何かを我慢することもなく何かにもやもやすることもなく、ありのままのわたしでいられて愛する相手がいること。これほどまでに幸せなことはあるだろうか、と実感する。

だからなのかはわからないし、子宮全摘術による3ヶ月の安静かつ緊急事態宣言のせいでじっとしていなければならないからなのかもわからない。でも昔ほど予定を詰め込まなくても多幸感があるし、知り合いの楽しげな投稿をみても素通りするようになった。とはいえ、冒頭のように感じるのだ。おそらく結果的にはあっという間の××間だった、となるんだろうけれど。

結局人の心の寂しさを埋めるのは、誰かを愛することなんだな。その相手も同じように想ってくれているなら、世界中で一番幸せなんだと思う。でもそれはいちいち相手に確認しなくても自分なりに感じ取ることで幸せになれる。

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恋したいとは全く思わない。そして愛する相手がいる今は、どんな形でもとても幸せだ。