高橋美咲

高橋美咲

記事一覧

共感や他者への同調について

何年も前の些細な出来事や、誰かの一言を細かく覚えていることがある。 友達に「大丈夫?」って聞かれた。仕事がいつもより忙しい時に友達から「大丈夫?」って聞かれた。…

高橋美咲
1年前
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#仕事について話そう

3月末から4月上旬にかけて、私のTwitterには新入社員に向けたアドバイスが流れてきた。「あなたに期待してないから怒らない」「しんどいと思ったら仕事辞めろ」「理不尽…

高橋美咲
1年前
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狂った思い付き

クリスマスの繁華街で突然爆音の失恋ソングが流れ始める。音源を辿ると小型スピーカーを手に持った集団が行進していた。彼らは陰キャである。「リア充ども爆発しろ」とのた…

高橋美咲
1年前

友達との約束や後悔について

私はあと何回あなたと会えるのだろう。私はあと何回あなたの誕生日を祝えるのだろう。「じゃあ、またね」と言って改札に向かうあなたをいつも見つめている。あなたはいつも…

高橋美咲
1年前
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唐揚げ、或いは人間について

人間として10年ほど生きた頃、急に「あなたは唐揚げです」と言われた。最初は「私は唐揚げじゃない!」と抵抗していたけれど、唐揚げとして人に食べられ、唐揚げとして生活…

高橋美咲
1年前
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2022.10.27

綺麗なものとか心が動くようなことがあったときに、言葉や絵で誰かに伝えたくなったりする。だけど私には画力や文才がない。いつもより30分遅い電車に乗って会社へ向かう。…

高橋美咲
1年前
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2022.10.25

閑静な住宅街に佇む個人経営の喫茶店。暇を持て余した土曜日が喫茶店窓側の席でうたた寝している頃、私は何年も前に紅色の口から吐き出されたタバコの煙が街灯を隠してキラ…

高橋美咲
1年前

2022.5.4

私はあなたではないし私は私でもないので私はあなたのことが分かりません。「私には夢がある」という人の夢が叶うかどうかは分からないけれど、私はきっと今日も学校帰りに…

高橋美咲
1年前

2022.1.5

私は「私が生きる意味」が分からない。私は「意味」という言葉が何を指しているのかよく分わかっていない。私が「私には生きる意味があるのか」と問うとき、「私には生きる…

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高橋美咲
2年前

共感や他者への同調について

何年も前の些細な出来事や、誰かの一言を細かく覚えていることがある。

友達に「大丈夫?」って聞かれた。仕事がいつもより忙しい時に友達から「大丈夫?」って聞かれた。そのときは自分でも疲れた顔になっていることが分かるくらいには大丈夫じゃなかった。「大丈夫?」って聞かれたら「うん、大丈夫だよ」って答えるしかなかった。でも、「大丈夫だよ」って答えたとき、私は間違いなく少しだけ大丈夫になっていた。

「めっ

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#仕事について話そう

3月末から4月上旬にかけて、私のTwitterには新入社員に向けたアドバイスが流れてきた。「あなたに期待してないから怒らない」「しんどいと思ったら仕事辞めろ」「理不尽に慣れなさい」そのアドバイスを見て思った。「私、社会人に向いてないわ」と。

私の仕事について話そう。とはいっても私は仕事がデキる人ではないし、多分社会人に向いていない。

仕事をしている間、私は会社の一部になる。あまり言いたくないこ

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狂った思い付き

狂った思い付き

クリスマスの繁華街で突然爆音の失恋ソングが流れ始める。音源を辿ると小型スピーカーを手に持った集団が行進していた。彼らは陰キャである。「リア充ども爆発しろ」とのたまう陰キャである。爆発しろと思うのは誰でもできるが、彼らは彼らなりの方法で行動を起こしたのだ。そう、彼らは「性なる夜」に「性なる戦い」を起こしたのである。

……なんてことを考えたのだが、誰も一緒にやってくれない。考えたことを行動に起こせな

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友達との約束や後悔について

友達との約束や後悔について

私はあと何回あなたと会えるのだろう。私はあと何回あなたの誕生日を祝えるのだろう。「じゃあ、またね」と言って改札に向かうあなたをいつも見つめている。あなたはいつも振り向くことなくホームへ向かっていく。
これからきっとあなたに二度と会えなくなるときがくる。「じゃあ、またね」というありふれた挨拶が二度と叶わなくなるときがくる。あなたに二度と会えなくなった私は、あるいは私に二度と会えなくなったあなたは「も

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唐揚げ、或いは人間について

唐揚げ、或いは人間について

人間として10年ほど生きた頃、急に「あなたは唐揚げです」と言われた。最初は「私は唐揚げじゃない!」と抵抗していたけれど、唐揚げとして人に食べられ、唐揚げとして生活しているうちに、だんだんと「私は唐揚げなんだなあ」と思うようになっていった。私が「唐揚げである自分」を受け入れると、周りの大人たちは喜んでくれた。
唐揚げとして15年ほど生きた頃、急に「あなたは唐揚げではありません」と言われた。私が唐揚げ

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2022.10.27

2022.10.27

綺麗なものとか心が動くようなことがあったときに、言葉や絵で誰かに伝えたくなったりする。だけど私には画力や文才がない。いつもより30分遅い電車に乗って会社へ向かう。電車から降りて会社に向かって歩いていると、眼前の空に白い何かが浮かんでいる。おそらく管区気象台から放たれた気象観測用のバルーンなのだけど、なんだかそれがとても綺麗だった。青の画用紙に描かれた風景画みたいだった。たったこれだけでその日一日頑

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2022.10.25

2022.10.25

閑静な住宅街に佇む個人経営の喫茶店。暇を持て余した土曜日が喫茶店窓側の席でうたた寝している頃、私は何年も前に紅色の口から吐き出されたタバコの煙が街灯を隠してキラキラと光らせている光景とそのすぐ後ろにあったあなたの横顔を思い出し、何度も観たビデオテープみたいに擦り切れた記憶が私の想起によってより一層黒ぶちのノイズに侵されていくのです。
電柱から滴る朝露を眺めていると、あるいは私をどこかへ連れて行くで

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2022.5.4

私はあなたではないし私は私でもないので私はあなたのことが分かりません。「私には夢がある」という人の夢が叶うかどうかは分からないけれど、私はきっと今日も学校帰りにオレンジジュースを買って、外に出たいのに南向きの玄関でメガネを落としそうになります。外に出たいのに南向きの玄関でメガネを落としそうになるのは10年前まで砂利道だったからでしょうか?
脳内で生まれた東京タワーは住所を書かないと届けられません。

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2022.1.5

2022.1.5

私は「私が生きる意味」が分からない。私は「意味」という言葉が何を指しているのかよく分わかっていない。私が「私には生きる意味があるのか」と問うとき、「私には生きる意味があるのか」という問いによって何が得たいのかよく分からないまま問うている。

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