共感や他者への同調について

何年も前の些細な出来事や、誰かの一言を細かく覚えていることがある。

友達に「大丈夫?」って聞かれた。仕事がいつもより忙しい時に友達から「大丈夫?」って聞かれた。そのときは自分でも疲れた顔になっていることが分かるくらいには大丈夫じゃなかった。「大丈夫?」って聞かれたら「うん、大丈夫だよ」って答えるしかなかった。でも、「大丈夫だよ」って答えたとき、私は間違いなく少しだけ大丈夫になっていた。

「めっちゃわかる」って言われた。たしか友人に悩み事を打ち明けたときだった。私の悩みを聞いた友人が「めっちゃわかる」と言った。それから私は友人が今まで経験した、おそらく不幸な出来事を聞いていた。私は友人の経験談を聴きながら、私の悩みが奪われたようで寂しくなった。

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