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【詩】 友

窓を開けると 緑が凪いでいた
鳥達が鳴いていた

穏やかな日差しが”今”を明瞭化していた

体内の流れが変わっていた
季節が進んでいたのだ


扉を開けると薄い雲が空を可視化していた
広く水平に遠慮がちに

まだ樹の下には影は存在していなかった

川辺には葦牙が生えていた
過去と現在をつなぐようにして

魚が勢いよく水面を跳ねる
幼き釣り人は何を思うのか

流麗に糸を引く川の流れに沿って
釣り糸は浅く
そして深く存在を確かめにいく

まるで親切に記憶を揺り動かすかのように…


目を開けると 淡い空色が 一瞬の時に
ありったけの情熱をぶつけていた

深くとことん優しく
空は情熱と冷静さを保っていた

狭間で人々は惹きつけられ 吸い寄せられる

伸びる影達が一日の終わりを告げていた

その影に駆けていた日の表情を残した友人を見た

導かれるように掘り当てた友人の顔は

笑っていた
その顔は忘れない


深く浅い言葉たち


幸いにも

仲いい奴らは皆健在だ

また聞かせてくれないか

オチのない

老眼未遂の話

お前の話は

どうやら

酒に合うようだ。

・動画はザ・ローリング・ストーンズの曲でタイトルは「友を待つ」です。

宜しければご視聴下さい!

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