IOTの-2

IOTで稼げる意外なビジネスモデルとは?

本日はIOTの第5弾です。

前回の記事はこちら。

今日はIOT最終回です。実際にIOTを活用したビジネスを見ていきます。

私の知る限り国内でもっともIOTの成功に近い会社は日立だと思います。

日経を引用します。

ルマーダです。

発想自体は大したもんではありません。

巨大な日立のクラウドサーバーに全部つなぐとという発想です。

誰でも考えつくような話です。

ただ、決定的に良い点が2つあります。

一つ目は日立のIOTはルマーダにブランドが集約されている点です。

大手企業において多種多様な製品やサービスがありますが、どうしても各製品での最適化に陥りがちです。大企業病や事業部制といった縦割りの影響ですね。

しかし、日立のトップはグループ内外に対して非常に分かりやすいメッセージを出しています。とにかくルマーダにつながるようにせよ、と。

これが凄いところです。

簡単なようで、とっても難しいのです、大手企業でのブランド集約は。


もう一つが稼ぎに変える力です。今日はここをメインにやります。

メーカー、特に日本のメーカーの地盤沈下が叫ばれて久しいですね。

そして、日本メーカー復権の鍵は、ソフトの部分の強化だとも、ずっと言われてきました。なのでデータをクラウドに集めるルマーダは王道のやり方と言えます。

ただし、このデータ集めをちゃんとお金に変えられるかもポイントになるわけですが、日立を中心に日本のメーカーはこのポテンシャルがしっかりあることがミソになります。

みなさんにきちんと理解をいただきたいですが、メーカーが従来からもっている決定的な強みは何だと思いますか?

モノの開発力?ブランドネームや販売力?高い品質?

確かに、これらも大切な要素ですが、実は一番大事なのはメンテナンス網です。全国に張り巡らされたメンテナンス網とIOTのコラボがとても良い相乗効果をもたらすのです。

例えば、日立の商材で言うとエレベーターがあります。

このエレベーター、安いものだと1基数十万円で買えたりします。意外と安いですよね。実はこれ、プリンターと同様、機器本体は最悪赤字でもいいのです。

ポイントは定期メンテナンスです。

エレベーターは購入後に故障があってはならない製品のため、かならずメンテナンス契約が必要となります。このメンテであとからお金を取り戻せるのです。しかもペイした後は毎月チャリン、チャリンとお金が入ります。

サブスクプリプションやリカーリングが叫ばれる遥か前の太古の時代から、定額サービスの収益源を実はメーカーは持っているのです。定期メンテや修理は製品購入時のコストとは違い、買い叩かれにくい領域なのも当初魅力でした。

しかし、悩みもプリンターと似ていました。

サードパーティの登場による価格破壊です。

サードパーティは機器本体のお金を取り戻す必要がないメンテナンス専門の会社です。なので、メンテナンス料金を非常に安く設定することができるのです。

これまでメーカー純正のメンテナンス網はサードパーティに悩まされてきました。

しかし、ルマーダがここで効いてくるのです。

ルマーダ接続のエレベーターは今後クラウドでのデータ解析により、故障の予防診断を受けることができるようになると思います、あるいは運転方法のアルコリズムや節電の工夫などのソフトウェアでのアップデートも可能にするでしょう。

もちろん、サードパーティもクラウドサービスを構築できれば同じようなサービスは可能かも知れませんが、細かなハード情報の吸上げは容易ではないでしょう。

となれば、再びユーザーは純正メンテナンスに回帰してくれる可能性を有しています。もともと高密度に張り巡らされているメンテナンス網を再利用し収益にかえるチャンスがでてきていると、私は踏んでいます。

施策のひとつとして、既存の機器もIOT化しようとしてます。

まさにこれまでお伝えしてきたとおり既存設備への配慮を始めているのです。

とまぁ、いろいろとIOTのハードの世界も頑張っております、です。

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我々がIOTから学ぶべきことははいろいろとありました。

特に考えるべきは、自分たちのコアの強みとそれが最大限活かされる環境づくりのためのIOT、そういうIOTに意味があるということです。

つまり、日立であれば、エレベーターのメンテが強みであり、それを活かすために既存設備へのIOT接続性を高めることで収益力を向上しようというものです。

我々は上っ面でIOT、IOTと叫ぶのをやめ、なぜIOTなのか?IOTで何を目指すのか?、これをまずは考えないといけません。

そして、その障害となる部分は何か?という現実的な問題を深く見つめインサイトを得て、解決を図っていく必要があるのだと思います。


というわけで、長々お付き合いくださりありがとうございました!

おやすみなさい〜。




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