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【MMT】【現代貨幣理論】国債の金利について〜国債の金利には2種類ある〜

国債、いわゆる国庫債券です。何かと国の借金があーだこーだと話題になる国債ですが、とあるコミュニティでの会話で国債の金利について、2種類ある事、そして性質が違う事が、案外知られていないと分かったので、今回は国債金利について説明したいと思います。

まず、一般的に国債の金利には2種類あります。それが…

「表面利率と利回り」になります!

ただし、報道等で一般的に国債金利の上昇とか下落と言った場合は…

利回りの事を指します!

と言うのも表面利率は固定です。対して利回りはその都度変わります。違いをそれぞれ解説していきます。

まずは表面利率から、表面利率とは国債発行時に国債そのものに書かれている金利になります。これは固定金利です。例えば満期10年で年率1%の100万円の国債を考えます。この国債に書かれている年率1%が…

表面利率になります!

なので、この債券を手に入れた場合、年率1%なので毎年1万円が払われ、満期が来たら100万円が返って来るのでトータルで110万円になり、10万円儲けが出る事になります。

では利回りとは何かなのですが、国債というのは国から直接買える組織は限られています。すなわち、日銀当座預金を持っている民間銀行及び一部の証券会社のみという事になります。ではなぜ、一般人も持つ事が出来るかと言いますと、銀行等が手に入れた国債を…

債券市場で売買する事が出来るからです!

ここで買う事が出来ます。そして、利回りとはこの債券市場で売買した時の…

結果としての利子率になります!

どういう事かと言いますと、先ほどの10年満期、年率1%の100万円の国債を例に考えます。この100万円の国債を市場で売買した場合、国債価格は上がったり下がったりします。ここでは100万円の国債が値下がりして90万円で売られてたとします。この国債を買った場合、10年後に100万円になる債券が90万円で売られているので10万円の得になります。さらに年率1%なので、毎年1万円ずつもらえるため最終的な利益は20万円になります。

利回りの計算ですが、まず額面金額と販売価格の差を償還期間の年数で割って1年辺りの利益とします。この場合ですと、差額が10万円で満期が10年なので年1万円となります。さらに表面利率が年1%なのでこれも年1万円となります。この2つを足して1年でもらえる金額を2万円とします。この2万円を販売価格で割って100を掛けると利率が出ます。式で表すと下記のようになります。

((額面金額-販売価格)/(償還年数))+表面利率)/販売価格×100=利回り

となります。90万円の例で実際に計算するとこうなります。

(((100万円-90万円)/10年)+1万円)/90万円×100=2.2
%

となり、この場合の利回りは2.2%となります。この2.2%が世に言われる…

国債金利というモノになります!

このように国債金利と言っても全く意味の違う2種類のものが存在する事が分かったと思います。そして、ここで分かることは…

国が払うのは表面利率である!

ということです。利回りは国債購入者にとっての結果としての金利です。なので、報道等で言われる国債金利が急騰したとしても…

国にとっては直近では関係の無い話になります。

とは言え、利回りは為替であったり銀行の貸付金利、通常の預金の利子等々に影響を与えるので、全く放置で良いかと言われれば、それはまた別の話になります。しかし、この利回りは…

日銀で操作する事が出来ます!

というのも国債価格が下がれば利回りは上がり、上がれば下がります。なので、日銀は…

国債を売ったり買ったりしてその量を調整してやれば良い!

と言う事になります。利下げしたいのならば買えば良いのです。買われると市場にある国債の量が減ります。国債の希少性が上がるため国債価格が上がり、利回りが下がります。利上げしたい時は逆に売れば良いという事になります。それぞれの操作を通称…

買いオペ、売りオペと呼びます!

日銀が今までやって来た、異次元の金融緩和もこの買いオペを大規模にやった事によるものです。イールドカーブコントロール(YCC)もこの買いオペ、売りオペを駆使して利回り率を操作しています。

このように金利と言っても2種類あり、どれも性質が違う事が分かったと思います。

ちなみにですが、金融緩和をやる前までは中央銀行は国債の利回りを操作出来ないと言われていたそうです。短期はともかく長期金利は絶対に無理だと…日本では銀行券を発行出来る、唯一の銀行は日本銀行のみです。キーボード叩くだけで購入出来ます。そして、上記の仕組みで利回りが決まる事が分かれば…

なぜ?経済学者達はコントロール出来ないと思ったのかさっぱり理解出来ません!

まさかじゃないですけど、仕組みを知りませんでした…とか言う物凄い恥ずかしい話じゃないですよね…😨❓

とまぁ、これ以外にもどう見ても無知としか思えない理由で、おかしな論説を展開していたりする主流派の経済学を見ていると、思うことがあります。良く主流派を天動説、MMT等を地動説と言うように例えたりしますが…

実際の天動説の方がちゃんと現実の現象に向き合っていました!

惑星の逆行や惑星運動の速度変化に対し、周転円やエカントを取り入れたりしました。

残念ながら主流派経済学のほうは向き合えないどころか知ろうともせず、自分達の世界に引きこもってると言わざるを得ません!果たして主流派経済学は…

本当に学問なんでしょうか?

以上になります。最後まで読んで頂きありがとうございます😊


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