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モエレ沼公園①[公園全体がひとつの彫刻作品] イサム・ノグチ
高松空港のイサム・ノグチ遺作[TIME AND SPACE]、そしてイサム・ノグチ庭園美術館を訪ねたのが2月のこと。
イサム・ノグチ庭園美術館は、きれいに掃き清められた敷地内に、作りかけも含めた作品群がそのまま遺された、作家の気配が濃く残る場所だった。「先生はちょっと出かけています」と言われても違和感がないほどに。イサム・ノグチは1988年に「戻ってくる」と言い残してニューヨークに旅立ち、そのまま逝去したのにもかかわらず。
ISAMU NOGUCHI
1904-1988
イサム・ノグチは、日本人の詩人であり英文学者の野口米次郎とアメリカ人で教師で編集者のレオニー・ギルモアとの間にロサンゼルスで生まれました。 幼少期を日本で過ごし、アメリカ、フランスで彫刻を学んだノグチは、気鋭の彫刻家として活躍します。とりわけ戦後、東西の芸術精神を融合した多岐にわたる彫刻を制作し、従来の彫刻の域をはるかに広げた、大地の彫刻ともいえるランドスケープ・デザインを次々と発表するなど、その豊かな芸術性と表現力によって、20世紀を代表する彫刻家のひとりとして知られています。
イサム・ノグチが手掛けた札幌のモエレ沼公園のことは、前から見聞きしていた。
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ただ、場所が北海道なので、美しい芝生と出会いたいなら初夏を待つのがいい。航空チケットとホテルを予約して、待っていた。
「公園全体がひとつの彫刻作品」
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1988年3月、ノグチは初めて札幌を訪れました。札幌のある起業家から、「札幌なら長い間温め続けてきた数多くのプレイグラウンドのアイディアを実現できるかもしれませんよ」。そう誘いを受けたのです。
(中略)
ノグチが訪れたとき、モエレ沼の内陸部は不燃ゴミの埋め立て地として利用されていました。ゴミの舞い散る大地に立ち、ノグチは「人間が傷つけた土地をアートで再生する。それは僕の仕事です。」と言い、モエレ沼公園の計画に参加することを希望しました。
(中略)
この公園事業に強い関心を持ったノグチの期待に応え、札幌市は公園の設計を委託。「公園全体がひとつの彫刻作品」という考え方がノグチから提示され、周辺の環境や景観との調和をはかりながら、ダイナミックな地形造成を行うというマスタープランが、瞬く間に形づくられていったのです。モエレ沼公園を訪れてから8ヶ月後の11月17日、ノグチの誕生パーティーではモエレ沼公園の2000分の1の模型が披露されました。 ところが、予期せぬことが起こりました。ノグチが急病のためこの世を去ってしまったのです。
(中略)
札幌市では、マスタープランが完成済みであることと、詳細の指示を受けていたイサム・ノグチ財団の監修と活動を支援してきた人々の協力を得られることになったことから、公園造成を継続することに決定し、ノグチの亡くなった翌年から本格的な造成工事がスタートしました。 そして、1982年の造成開始から23年後、ノグチが設計に参画した1988年からは17年後の2005年、モエレ沼公園は最後の施設である「海の噴水」の完成とともにグランドオープンしました。
(後略)
「大地の彫刻」誕生へのあゆみ より抜粋
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「公園全体がひとつの彫刻作品」という一文は、訪れてみて納得した。まず、敷地はとてつもなく広大だ。下の地図の「東口バス停」から「西口バス停」まで、ゆっくり歩くと30分はかかるといった距離感。
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ただ、飽きることはない。それは、どこの景色をどう切り取っても美しく、絵になるから。
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滞在中はほかの観光地には行かず、モエレ沼公園に全振りした。毎日、それこそ通うような状態で過ごし、暑すぎるくらいの天候の下で、公園全体を愉しむことができた。
モエレ沼の語源
ちなみに、モエレ沼の語源はこちらに。
Q.「モエレ」とはどういう意味ですか?
アイヌ語の「モイレペツ」が語源と言われています。
「モイレ」は「静かな水面」・「ゆったりと流れる」、「ペツ」が「川」を意味します。
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おすすめコースは3種類
ちなみに、ちょっと訪れてみるなら、こんな提案もなされている。
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春~秋まで運転される「海の噴水」とは、こんな感じだ。
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拠点は、ガラスのピラミッド
拠点となるのが、東口バス停からは比較的近い、ガラスのピラミッド。
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関連グッズ、ソフトクリーム
売店、レストラン(月曜定休)もあり、北海道の味覚ソフトクリーム(や、じゃがバターなど)も販売されている。
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付近?のソフトクリーム店
多くの人は車で訪れ、レンタサイクルで園内をまわる。バス+徒歩は少数派でとにかく歩くことになるのだけど、一応園外の(比較的近くの)GS内に、ソフトクリーム店があったので追記。
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風に吹かれながら読書を愉しむ
日傘が飛ばされるくらいの風が吹いていたので、傘をさすのはあきらめて木陰を探した。
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目の前には、こんな風景が広がっている。
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この公園のシンボル的な存在、モエレ山は、視界に入れておきたい。
近くからなら肉眼でも、望遠レンズならこんなふうに、登頂をめざす人や、頂上でたたずむ人の様子を見ることができる。
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この季節の東京の日没は19時頃、ここでは20分ほど遅い。1日がとても長く感じられる。
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次回からは写真でモエレ沼公園を巡る
次回からは、モエレ山、ガラスのピラミッド、といったパートに分けて、撮影写真で雰囲気を紹介していこうと思う。
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