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ラ・フォル・ジュルネ最終日 -歌姫たちの歌声
「ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日)」5/3-5/5、最終日。
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「キオスクステージ」4公演を愉しむ
この日も、前売りを買っていた公演は夜。それまでの時間、気になっていたホールEの無料公演、「キオスクステージ」をちゃんと聴いてみようと思った。
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有料公演チケットか、半券があれば入れるエリアに下って、
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このように満席なので、とりあえずは立ちながら聴いて、
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公演どうしの間は1時間以上あったので、空いた最前列の席で、読書をして過ごした。方々のブースから美しい楽器演奏が流れてきて、フードコートからの人々のざわめきとともに、いい感じのBGMを愉しませてくれた。
16時からの20分のオーケストラ公演は、東京ユヴェントス・フィルハーモニー 坂入健司郎(指揮) モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調 K.551《ジュピター》より 第4楽章。演奏前のリハーサル公演も含めて鑑賞できた、貴重な機会だった。距離が近すぎて大きなカメラを向ける勇気はなかったのだけど、間近で聴くオーケストラ演奏とはこんな感じなのかと。なにせ素人なので、すべてが新鮮だ。
アンサンブル・オブシディエンヌ(室内楽)
次の「サプライズコンサート」は、
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アンサンブル・オブシディエンヌ(室内楽)。
アンサンブル・オブシディエンヌ(室内楽)
民俗音楽や中世のタピスリー等を参照して復元した楽器を用いて、中世・ルネサンス音楽を紹介する器楽・声楽アンサンブル。その素朴で詩的な歌唱とメロディアスな器楽演奏は、当時の吟遊詩人を彷彿させる。「黒曜石」に由来するグループ名は、中世音楽の無尽蔵で魅惑的なレパートリーをほのめかしている。
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珍しい民族楽器を手に演奏し、素早く楽器を替えつつ、
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そして唄う、
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なんだか本当に、中世の街にいるような。
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演奏が終わり、メンバーの皆さんが、取材とおぼしき個別の写真撮影の合間に談笑したり、
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楽器を片づけたり、そんなシーンまで見ることができた。
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約2時間ほど間があいたので、館内を散策しつつ、カフェへ。
東京国際フォーラムの館内には、足を止めて鑑賞したくなるアートも数多くある。
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観客参加型の「リズム」ライヴ
ホールEでの最終公演は、
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聴衆参加型の「フォル・ニュイ!! 第3夜 みんなで叩こう!~リズムナイト~」。
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大編成のパーカッションと、客席の観客の拍手(&持参できた人は空のペットボトルをたたく)で、おおいに盛り上がった。
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時間はまたたく間に過行く。
レ・イティネラント (ア・カペラ トリオ)
いよいよ最終公演へ。
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レ・イティネラント (ア・カペラ トリオ)の公演。説明には「キーワードは四元素(地・水・火・風)…3声が織りなす神秘のハーモニーが音楽のオリジンに迫る」とある。
レ・イティネラント(ア・カペラ トリオ)
30種の言語で歌う女声三重唱。古楽からフレンチ・シャンソンまで、あらゆる時代のレパートリーを網羅。「巡歴者たち」を意味するグループ名の通り、さまざまな時代・場所・音楽様式を自在に巡る旅へと聞き手をいざなう。打楽器奏者ティエリー・ゴマールとはCD『冬の旅』(2019)・『オリジン』(2024)で共演。
会場はホールでなく、153席の「会議室」(たぶん)だ。
楕円形に椅子が並べられ、ステージはない。距離があまりにも近く、小さな音も周囲に伝わる。
「レ・イティネラント=巡歴者たち」。中世風のドレスをまとった女性たちが、照明を落とした室内をゆったりと歩きながら、アカペラで歌を奏でてゆく。楽器は、パーカッション奏者のティエリー・ゴマール 氏がいるだけ。
先にネタバレ?をするが、彼らはこんな感じの方々だ。
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どうやって音をとっているのだろう? それらしいそぶりも音もないし、小さなマイクはつけているけれど、ヘッドフォンもないように見える。でも音は正確で、ハーモニーは美しい。
観客ははじめ「えっ」という感じだったように思う。会議室のなかは何やら中世風で、歌姫たちはすぐ隣を通り過ぎていく。曲も荘厳な雰囲気で、静かに聴いていたほうがいいのだろうかという感じだ。
しかし。45分予定のプログラムが終わりに近づいた頃から「ああ、これはやっぱりライヴなのだ」と気づかされることになった。
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発音がとても正確な(耳がいいからだろうか)、日本語のMCで会場の緊張がなんとなくほぐれ、自由に愉しんでいいんだな、というコンセンサスを得た気分になる。曲も「どこかで聴いたことが」というものに変わっていった。
アンコールの連続
ホールの使用には厳密な時間設定があるようで、それまでの公演は時間通りに終わっていた。しかしこの日は最終日であり、さらに大きなホールであったので、時間制限はそれほど厳密ではないようだ。
鳴りやまない拍手。客席をぐるっと一周して、彼らが中央に戻ってきた。アンコールってあるんだ? と思ったのが1回目。
アンコール曲への拍手。そのなかを彼らはゆっくりと歩き、一周して…あれれ、また中央に戻ってきた。
「みなさんは眠くないようですね。では、眠りにふさわしい曲をもう一曲。これはフランスの……」という英語のMCで会場を沸かせつつ、さらに一曲披露し、そのあとも。
15分のアンコールに応え、彼らは扉の外に去った。
……のあと、まだ続きがある。
プレゼント「赤とんぼ」
「すごくよかった!」「こんなにいいと思わなかった」といった感想が客のなかから聞こえてきた。22時すぎ、電車の時間があるらしき人は足早に去って行ったけれど、ほかの客たちは、余韻を味わいながら、去りがたく、ゆっくり歩いていたと思う。
そのとき、扉から彼らが現れた。
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はじめは、おずおずと近寄るファンとのツーショットに応えたり、握手をしていたのだったが、
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レ・イティネラントが突然、唄い出した。
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「夕焼け小焼けの赤とんぼ♪」。日本語の、「赤とんぼ」のアカペラ。ハーモニーがとにかくきれい。
途中「歌詞を忘れてしまったわ」と客たちを笑わせながら、さっきはマイク越しだったアカペラを、しっかりと生声で、しかも本当に間近で、鑑賞させていただいた。
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マネジャーらしき人が「そろそろ」という感じで、背後の扉を開けて促すまで、アーティストたちは茶目っ気たっぷりに、客たちとコミュニケーションを取ってくれた。そして手を振りながら、消えていった。
これが、音楽の祭典。
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