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私の最後の晩餐はママが作ってくれたグレープフルーツケーキがいい、夫婦のいい時間は自分で作るのさ


私の実家は近い。結婚して2人で住んでいる家から15分。

近いがこれがまた遠い。

仕事をしつつ、帰りに寄ろうかなって思っても職場からだと実家は30分弱。さらに道幅も狭い。

疲れた仕事終わりぶっ飛ばして帰れる家は夜はラッキーだったから10分程度で帰れる。

そうなると否応なしに職場と家の往復が続く。
実際現実を生きるとなるとそれが普通なんだろう。

結婚して家を出て、2人で一緒に生きていくと決めたんだから。

でもたまーーにどうしても親が恋しい時ってあるよね。

両親はとても優しくて今日は仕事?休み?とラインをくれる。

返せる時は返すようにしているがシフト制なこともあり返せないことも多い。

が、この前元気?っとラインが来た。

正直全然元気じゃなかった。

生理前で体が重い、風邪も引いて何にもしたくない。基本眠い。生理不順私はその冗談が続くことが多く意識にもやがかかることがおおい。

言い訳と言えばそこまでだけど実際経験してみないとこればかりはわからないだろう。

そんな時返したラインは元気じゃないだった。

私は大丈夫じゃないとき大丈夫なんて決して言わない、

元気じゃないとき元気!なんて言わない。

そんな時親が持ってきてくれたのがお見舞いのグレープフルーツだった。

それをみて一気に昔の暖かい記憶がばーーーっと蘇る。

人間の頭はすごい、香りや人の温もりそこからヒントを得て悪い意味でもいい意味でもフラッシュバックする。

私が思い出していたのは小さい時、学校に行って帰ると、おやつに机の上に置いてあったグレープフルーツ。

もともと好きじゃないがパパが好きだった。

パパがすきだからママはグレープフルーツの皮をわざわざむいて、加えて甘皮も剥がす。

母は雑な性格だったがその作業はとても上手かったと思う。

よく見入っていた記憶がある。

その時はまだあんまり好きじゃなかったけど数日経って残ったグレープフルーツをケーキにしてくれたことがある。

焼いたプレーンの生地を半分に割り、生クリームも間に惜しげなく入れる。

母の料理は値段など気にしない。
どちらかといえば漢気が入った料理だった。

さらに周りを生クリームでコーティング。

その上に大量のグレープフルーツ。
オレンジ色時もあれば黄色っぽい時とある。
また2色混合の時もあったけどそれもまた乙な味。
最後にパウダーの砂糖をかけたら出来上がり。

初めて食べた時の感動は今も忘れない。
グレープフルーツの美味しさをあそこまで引き出すことができるなんて…

あの日からグレープフルーツも食べれるしジュースも飲めるしケーキは大好物。


あれ作るか!と思いながらいや面倒だな、いや待てよ、代替えできるよね?となった。


パンにクリームチーズをはちみつと塗る。
その後にグレープフルーツを入れたら簡単なフルーツサンドの出来上がり。

一口食べたら、はい!おいしい!!!

今日はこのサンドを持ってお出かけしようとしたけど旦那と2人ですぐに食べてしまった。

2人で美味しかったねと言い合える時間が嬉しかった。

きっとママもこと愛おしい時間を作るためにグレープフルーツのお世話、してたんだろうな。

ママありがとうね、私もママみたいに人に愛を注げる人間になりたいよ。


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