たえて桜のなかりせば

ペットボトルに水入れて 貰った花を差した
あたし もう 君に頼らなくても 生きてしまう
いつ言葉で刺されても かっこつけられるように
小説のあのシーン ヒロインの台詞 暗記しておく

何を貰った 何を与えた 何が残った 何が消えた
呼ばれたら 枯れるまで 咲くだけ それが仕事
あたしが知り合いの娘なら こんなことするの
平凡で月並みだけど 人間として 嫌っていいよね

夢の中で 繰り返し教えられた 大輪の花の名前
検索窓 打ち込んでも 何も出てこなくて 退屈
ミラクルを期待したんだよ
これは福音なんじゃないかって
そんなことに縋って 朝も夜も 生きてるんだよ

美人で人気だった 古典の先生が言ってた
白く霞んだように見えるのが
美しい花なんだって
すぐ散ってしまうのが 無常観なんだって
テストで点取るために 覚えてたけど
今じゃ その意味も よく分かるよ
先生も あたしも 孤独で 儚い生き物だなんて
あの時は 思いもしなかったんだ

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