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矮小詩集「夏歩き」

どうもKyojinです。夏がもうすぐ終わるのを思うとついセンチメンタルになってしまう今日この頃ですが、読者の皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。初の二日連続投稿になるのですが、前回は「老害とは何か?~偏見的考察~」という記事を上げました。誤解の無いように言っておくと、ご高齢の方々を誹謗中傷する内容では全くなく、社会に迎合した大人に特有の弊害が若者にどう影響するのかといったことを勝手に考察しております。興味がある方は是非ご覧ください。

また、現在最も多くの方々に評価いただいてるのはこちら↓↓の記事です。もしよければご覧いただきたいです。力作です。

さてさて今回は、夏を題材にした詩を詩集という形で作りましたので投稿します。合わない人には合わないと思いますが、表現に一切の妥協はありません。愚詠ではありますが、若者の感性をどうぞお楽しみください。(自分で言うか)

夏歩き

朝、夏に急く
僕を起こしたのは暑さか、はたまた蝉の声か
爽やかとは決して言えない、而して最高の目覚めだ
居ても立っても居られず
卵かけご飯と味噌汁を平らげ、外へ飛び出して歩き出す
夏だ、紛うことなき夏の光だ
おっと水を持つのを忘れるところだった、気を取り直して出立する
今年はどんな夏に出逢えるだろうか
陽はまだあまり高くはない
勇み足で坂道を登って行くのだ

山、碧の咲く
土の匂いに懐かしさを覚える
光の差し込む木々を見上げると
もみじの葉が淡く碧く煌めいている
数年後にこの夏を思ったとして
僕はこの色彩を覚えているだろうか
一抹の不安と二本の水筒を携えて
靴の裏に柔らかな地面の感触を得ながら進む
しかし何にせよ、今こそが夏なのだ
弾む足取りの先には
木漏れ日に飾られた清流が見えた

河、流れのままに
川と木は似ている
巨視的には梢が上流、根元が河口のように
微視的には躍動する生命力の流れのように
そんなことを思いながら
掌に水を掬う
そして流れに手を委ねる
艶やかな冷たさはどこまでも透明だ
満ち足りた気持ちでそばの木陰に座る
陽は殆ど真上に在る

空、胸を刺す
海へ続く道の先、
誰かの春より蒼い空の
はるか遠くに聳える入道雲
陽の光が突き刺さる壮大な白色は
いたずらに冒険心をかき立てる
頬を伝う汗ですら夏の幻のようで
堪らなく切ない気持ちになる
不意に風が連れてきたのは涼しさと現実感だ
蝉の声がやっと耳に届く
夏は誰のものでもないさ、
そう呟いて
僕は再び歩き出した

海、蒼に凪ぐ
空の蒼さがいざなうに任せて
白く輝く砂浜を歩く
靴に入る砂を気にも留めず
体中に海を焼き付けて進む
思えば宛てのない人生だ
この心は波に震え、太陽に焦がされることはあれども
形而上の如何なる勲章を欲することも無い
だがそれでいい
寧ろそれがいい
この海が夏に染まる限り僕は僕でいられるから

夕、夏が往く
水平線を臨むまま黄昏を待つ
茜色の空が寂しげに闇と混ざるのは
本当はもう夏が終わるのを分かっているから
魔法が解け、夢が覚めるのを知っているから
僕をあんなに焦がした陽は
暮れ泥むこともなくあっけなく沈んで行く
貪欲な藍があの紅を完全に隠してしまったら
潮騒が静寂を呑み込む前に帰ろう
夏に恋をした僕の心が
決して誰にも気付かれぬうちに









いかがでしたでしょうか。もし気に入っていただけたのでしたら、他にも投稿した詩があるのでこちらもご覧ください。

次回は自殺についての考察記事を上げる予定です。毎日投稿を目指して頑張るので応援と「スキ」よろしくお願いします!それではごきげんよう。(Kyojin)

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