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海外で料理教室。初対面で話を盛り上げるには雑学ってそこそこ大切だよねって話。

オランダの北部フローニンゲンにて、本業である育児の隙間を縫って始めた料理教室。
現在まで生徒さんは4組。
来月の予約は7組入っている。

料理教室のメニューは手打ちうどんと豚の味噌漬けの2品だ。
今のところ評判はいい。はずだ。

その他にサービスでかぼちゃと挽肉のそぼろや切り干し大根、ほうれん草白和えなんかを提供する時もある。これも評判はいい。はずだ。

生徒さんにはまず「今まで日本食を食べたことある?」
と聞くことにしている。

日本に行ったことがある生徒さんを除けば答えはだいたい
「寿司くらいはね」といった感じだ。

それでも以前の記事に書いたように日本の文化などに惹かれて料理教室に足を運んでくれるのは本当にありがたい。

やめ太郎は料理のプロではないし誰かに料理を習ったことはないのだけれど、
できるだけ生徒さんが自宅に帰った時に再現できるように基礎的な調味料の話も最初にお伝えするようにしている。

だって、見たこともない調味料を使うのってやっぱりハードル高いから。

醤油、味噌、味醂、ほんだし(鰹節が手に入らないので)あたりをテーブルに並べて舐めてもらったりもする。

すると味噌ですら「はじめて見た〜」という反応がある。

味噌があれば煮物もスープも豚や鶏の味噌漬けもできるし、なんならそのままキュウリをディップして食べたっていいんだよ、と話をすると「味噌汁と味噌ラーメンだけかと思ってた」とその汎用性に驚いている。

この導入はプレゼンで言えば本題前のアイスブレイクのようなもの。

その後は手打ちうどんの準備として中力粉の分量を測ったり、工程を説明してレッスンを進めていく。

うどんはシンプルだけれど非常に時間がかかるため、こねたり、足で踏んだり、寝かせている間などは作業時間が少し空いたり、休憩時間をとることもある。

そうすると生徒さんからは日本や日本料理、もしくは、やめ太郎に関する質問を投げかけられたりこちらの事を知るための会話のフェーズに入ってくる。

そりゃ生徒さんだって、今日初めて会った日本人の家で3時間レッスン受けるにあたって、こちらの素性を少しは知っておきたいだろう。

まあ秘密な事などはないし大抵の質問にはそれなりにお答えできていると思う。

今日アジアンマーケットではじめて鰹節みつけたけど100グラムで2,300円はちょっと手が出ない

問題はその後だ。

こちらの事を質問してもらったのだからコミュニケーションとしてはやはり生徒さんや生徒さんの出身国に関しても逆質問しないと失礼というもの。

そしてこれが案外難しい。

今までの生徒さんの出身国は
・ハンガリー
・スロヴェニア
・ハワイ
・オランダ在住20年のバスク出身者

ハワイ以外は結構強敵だった。

なんせこちらもいざ生徒さんと会うまでどんな生徒さんが来るかわからないし、出身国もわからないから事前勉強ができないのだ。

問われるのは知識量と瞬発力だ。
AIなんて頼れない。
そんなの負け戦だ。
コミュニケーションはその場の温度感とテンポが命だ。

でも

ハンガリーは首都名くらいしか正直思い浮かばなかった。
ドナウ川ある?
イエス、あるある。
ボヘミア?
NO、それはチェコ
おーごめんごめん。
と言ったグダグダな会話。でも相手が大の日本アニメマニアだったから会話に困ることはなかったから正直助かった。


スロヴェニアもイタリアの右だったかな?くらいしか頭に思い浮かばない。必死に確かフライフィッシングの名所だったな?とか頭の片隅からネタを引っ張り出してくる。あまり藪蛇な質問はしたくないけど、昔共産圏だったよね?とか質問してみるとグレーターソビエトの一部だったよ、と答えが返って安堵したりする。
そういえば旧ユーゴスラビア?なんて感じで少しずつ紐解いていく。

バスクは確か独立運動やっていて、バスク語が再度公用語になったはずだな、とか、バスク料理って人気らしいけどどんな料理なの?
と言った風に生徒さんの祖国や歴史について教えてもらう。

大学受験で世界史を勉強しておいてちょっとは役に立ったな、と思ったりする。

以前スイスで働いていた時は同じチームに15人くらいメンバーがいて、出身国も10カ国くらいだった。
・イギリス
・スコットランド
・アイルランド
・フランス
・チェコ
・スベイン
・スイス
・イタリア
・ロシア
・ドイツ
・日本(やめ太郎)

思い返すと当時のメンバーは西ヨーロッパと大国出身者に偏っていた。
だからやめ太郎の知識も西高東低だ。

そんなこんなで最近はたまにヨーロッパ地図と睨めっこしている。
どこまでをヨーロッパと言うのか定かじゃないけど。

・サイプロス
・ボスニアヘルツェゴビナ
・モンテネグロ
・コソボ
・モルドバ
・ジョージア

ここら辺は正直難敵であろう。

予習しておかなければ。

やっぱりコミュニケーションって語学や雑学や経験や独自の切り口とかの総合力だし、そこには永遠に鍛錬が求められる。

料理教室でうどんの作り方を教えてはいるものの、最終的な満足度はこのコミュニケーションが占める割合が7割以上だと思っている。

さて、次の料理教室開催までは娘の保育園の秋休みがあるため、しばらく間が空くのだけれど、次の生徒さんは初のビーガンさん。

それはそれで何か問題が発生しないように事前に勉強しなくては。

人生これ勉強ですな。






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