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女性建築家のつれづれ

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仕事のこと、暮らしのこと、日々の思い感じたことなど
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2021年5月の記事一覧

プロフィール

プロフィール

長崎県にて、2015年に設計事務所をはじめ建築設計しています。お問い合わせは下記リンクHPのお問い合わせフォームよりよろしくお願いいたします。

ぐるり設計室

簡単な生い立ちを、勝手に紹介。

北海道の内陸、きのこの生産地「愛別町」生まれの「愛別町」育ち。いてつく寒さの中でひっそりと(?)育つ。
旭川の高校を卒業後、地元で就職。
女性社員は20代半ばを過ぎると肩たたきが始まるような社風(?)に疑

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見た目

見た目

「女性建築家だから、女性の立場で設計できるでしょう。」とよく言われる。
きっと、家事を全くしない男性よりは「女性の立場」に立てるのかもしれない。
けれど、好みや価値観は星の数ほどたくさんあって、
簡単にステレオタイプに語れないのが女性だ。
一筋縄にはいかない。
女性は一か月のホルモン周期で人格が変わるとも聞くし自分でもそう感じたりもする。
女性のことをひとくくりにできるなんて思えないし、
「女性の

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働くこととは

働くこととは

 7月までは怒涛の忙しさでしたが8月に入り落ちつきました。毎年の事ですが1月と9月は比較的時間の余裕ができます。工事現場はお盆やお正月の長期休暇前に基礎を打ってしまいたいためだと、勝手に分析しています。(基礎のコンクリートを流し込んだらしばらく休ませてコンクリートの強度を引き出す必要があるので。)その時期に間に合うように手続き関係を済ませて、長期休み前に着工したいとという考えで、毎度急かされるとい

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住みか

住みか

さて、何を書こうかと思い「何が知りたい?」と知人に聞いてみたところ、住宅取得までの流れを知りたいとの回答だったので、ここで初心に戻り一から書いてみます。

今の生活を変えたい。そう思って住宅購入などを考えたはずですが、まず、どうしてそう思ったか「理由」を整理してみてください。

・家族が増えるから

・音や隣家への気遣いにつかれたから。

・賃貸の費用がもったいないから。

・資産形成

・老後の

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チーム力

チーム力

先日、熊本の八千代座へ歌舞伎「古典へのいざない」を見に行ってきました。近年、友人のお陰で毎年観劇することができ、そして今年も、とても感動的な時間を過ごすことができました。

自分へのご褒美!といっても、ご褒美もらえるほどのことはしていないので(笑)自分への慰めかもしれません。いやいや、叱咤激励ですね。

友人には感謝するばかりです。

さて、今回は工事現場の話を、と思います。建築工事は、多くのプロ

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愛される街とは

愛される街とは

最近、街づくりについて考える機会がありました。

40年~50年前に造成された新興住宅街の自治会長さんとお話しした時でした。

例にもれず、高齢化が進み空き家が増えているといいます。

どうしたら魅力のある街になるのか?を聞かれて、明確にお答えすることができませんでした。

そんなことでは「ぐるり」の理念にそぐわない!と思ったことがきっかけです。

昨今の新興住宅街の変化
今だに新たな新興住宅地が

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住宅の寿命、人の寿命

住宅の寿命、人の寿命

 昨今、悲しい知らせが多く目につきます。

当たり前だった世界が大きく変わったことも一因だと感じています。

私の身の回りにも悲しい事がありました。

そして実感しました。
そんな中でも、人は眠り、食事をし、暮らしていくのだと。

そして、そんな暮らしを包み込むのは、人と家なのだと。

 最近まで日本の住宅は短命でした。

戦後、住宅不足で安価なもので早急に多くの住宅が必要で、

人口の増加、経済

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DIYで資産価値を上げますか? それとも

DIYで資産価値を上げますか? それとも

あ~ぁ、やってるなぁ~。と、口悪くつぶやきたくなる。

最近ことに増えている改修工事ですが、いつの間にか違法建築物になっていて、ついついつぶやきたくなってしまうのです。誰に向けようのない愚痴です。

設計事務所の仕事は多岐にわたるのですが、ことに地方の小さい設計事務所ともなると、まさになんでもやんなきゃいけないわけです。華やかなかっこいいイメージがあるかもしれませんが(ないかもしれませんが(笑))

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敷地から読みとくべし!

敷地から読みとくべし!

陽気な人、慎重な人、やさしい人、厳格な人。

人にも個性があるように建物を建てようとする土地や周辺環境にも個性があります。そこに根付いた歴史的な価値があるかもしれません。機械的・物理的に地盤が特有だったりするかもしれません。日中日陰ができてしまうけれど風光明媚な場所なのかもしれません。

何がよくて何が悪いのか。一長一短で判断も人それぞれ。もうそれは「気が合う」とか「惚れてまうやろ」とかの判断にな

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小さな家は魅力的

小さな家は魅力的

「リビングは大空間にしたい」「寝室をもっと広く」「収納はたくさんほしい」などなど、2回、3回と提案を重ねていくうちに欲望が湧き上がってくる。それを、はいはい聞いていくうちに敷地にめいっぱいの平面計画になってしまうことがしばしばあります。敷地が狭く地価が高い土地ならば、それも致し方ないとは思います。しかし、一般的な宅地の場合はあまりお勧めするものではありません。昨今「小さな家の良さ」が見直されていま

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リビングとソファーとわたし

リビングとソファーとわたし

「リビングとソファーの位置関係を考える」

そんな話題を耳にすることがあります。

実際、一般的な家庭ではリビングの主役にTVがおさまっているように感じます。

そもそも現在でもそのようなリビングが求められているのでしょうか?

TVが主役だった時代は、とっくに過ぎているとは思いませんか?昔はTVが珍しく、家族はもとより近所の人まで集まっていた時代もあったようです。がしかし、今では家族そろって同じ

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豊かさとは

豊かさとは

小堀哲夫氏の講演を聞いてきました。現在注目株の若手建築家です。代表的な建物にROKI Global Innovation Centerがあります。空調や光を最先端のプログラムを用いて取り入れている方で、レンゾピアノを彷彿させる建物だな~と感じていましたが、そこには大切な思いが込められてのことでした。

「建築と環境と人間」と題してのお話でした。

建物と人間の間に環境があり、これが大切だと。環境は

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いい仕事

いい仕事

人は迷うものです。

最近迷っているお客様が多い気がします。情報が多いせいかもしれません。安い買い物ではないし、まして暮らし方、生き方まで左右しかねない住宅となると、それは迷って当然です。仕方のないことだとも思います。今や医療でもセカンドオピニオンが重要時代ですから、住宅もそうなのでしょう。

「これでいいのでしょうか?」と尋ねられることもあります。

正直、設計事務所に住宅を依頼するとローコスト

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夏を旨とすべし?

夏を旨とすべし?

「家の作りやうは、夏を旨とすべし」

有名な兼好法師、徒然草の一節です。家は夏向きに作るとよいにつづいて、「冬はなんとでもなるさ」とも。

700年前の昔、着物を何重にも着ていたこともあるのでしょう。

確かに、正月に着る着物は暖かかったと記憶しています。

そんな暖かい着物を脱ぐ場所、それは厠と風呂でした。

 家の中で一番寒い場所は北東とされていて鬼門と言われています。

昔、この場所にトイレ

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