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夫が育犬ノイローゼになりました

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念願のDogLifeを始めたと思った矢先、我々夫婦を待ち受ける過酷な試練の連続。 犬のいる暮らしを始めた夫婦の喜怒哀楽を記録しています。
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2021年5月の記事一覧

#23 ジャック・バウアーになるまで

#23 ジャック・バウアーになるまで

【前回の内容】↓

奇跡的にもしつけ教室は自宅からすごく近い所にあり
なんならよく目の前を通っていたから驚いた。
ここが聖地「しつけ教室」だったなんて…

しかも、出迎えてくださったトレーナーの皆さんは
とても穏やかで優しく
なんでも包み込んでくださるような
素敵な方々ではないか。
(包容力:生春巻のライスペーパーのように柔らか)

言葉では言えない
でも感覚でわかった
あ、ここでなにかが変わるん

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#24 そしてジャック・バウアーになった

#24 そしてジャック・バウアーになった

【前回の内容】↓

その日から私の24時間体制は始まった。

「クロエ、端末にクレートトレーニングの
 詳細を送っておいてくれ」

何を言っているのだかという顔でたたずむ旦那が居る。

師匠は言葉通り、24時間(真夜中も)
2〜3時間クレートに入れ10分出すということを
私たちにお願いした。
単純計算で3時間入れたとしても、
1日に8回はクレートから
出し入れをしなくてはならない。

私が自宅警備

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#25  う○こを捧げよ!!

#25 う○こを捧げよ!!

【前回の内容】↓

ボナムとクレートの相性はとても良く
あと5日後にはしつけ教室へ預けるところまで来た。

深夜に何回も起きているせいか
私の肌はボロボロでニキビだらけ
口内炎も何個か出来たが
私はそれでも良かった。

なぜなら、ボナムの分離不安からなる問題行動は
劇的に改善していたからだ。
まず、要求吠えは一切なくなった。
そして、クレートの中で安眠出来ることを
覚えたボナムは熟睡するようになっ

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#26 「そこに便があるから」

#26 「そこに便があるから」

【前回の内容】↓

1つクリアしたらまた1つ問題が出てくる。
分離不安の症状はクレートトレーニングのおかげで
和らいできたものの
次は、食糞問題が浮上した。

そういえば前にも
口元がう○こ臭かったことがあった。
今思えば、あれは食糞したあとだったかもしれない…
その時は

「こらこらこら〜♡お口がう○こ臭いぞ♡
 こんなん中年おっさんと同じお口の匂いだぞ♡
 嫌われるぞ♡こんにゃろー♡」

と甘

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#27 MajiでSyokuhunする3秒前

#27 MajiでSyokuhunする3秒前

【前回の内容】↓

目の前で行われる食糞を防ぐことには成功した。
これで大丈夫だ。

オシ○コを済ませたボナムを少し部屋で遊ばせようと
サークルから出す。

ボナムが来てからというものの
真の安らぎというものを手に入れていない。

それは旦那も一緒だ。

気づけばしつけ教室に預けるまで、あと3日。
走馬灯のように今までの出来事が頭をよぎる。

「実際どう?あと3日でボナムを預けるけど」
「…寂しい

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#28  誰よりもHACHI

#28 誰よりもHACHI

【前回の内容】↓

朝日が差し込んできた。
今日はいつもより目覚めるのが早い。

ボナムをしつけ教室へ預ける日が来たのだ。

目は覚めているものの、体が動かない。
ぐにゃぐにゃになった感情が私を包む。
改めて、これでよいのだろうか。
あんな幼い子を1ヵ月も預けてトレーニングさせるって
私、とても酷なことしているのではないだろうか。

目の奥の奥からじんわりと
熱いものが込み上げてくる。

離れたく

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#29 「時を戻そう」のその先

#29 「時を戻そう」のその先

【前回の内容】↓

ボナムがしつけ教室に行ってから
沢山の時間が増えた。

増えたという表現は正しいのだろうか。
ただ、ボナムの来る1ヵ月前に戻っただけだ。

もう私はジャック・バウアーにならなくていいし
う○こを喰わせない努力をしなくてもいい。
なのにどうしてだろう、夜中に目覚めてしまう。
居ないはずのボナムを探してしまう。

30年間、ワンちゃんなんて居ない暮らしをしてきたのに
たった1ヵ月で

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#30 清子が教える「幸せになる」方法

#30 清子が教える「幸せになる」方法

【前回の内容】↓

ボナムが居ない1ヵ月も終わりを迎えようとしていた。
3日前から無駄に手汗が出る理由は
もうすぐ彼が、家に帰ってくるからだ。

授業で言われた
「帰ってから3日間が勝負です」というフレーズが
頭から離れない。

3日間、最低限の世話以外は
見ない、触らない、話しかけないを徹底すること。
ルールの徹底が主従関係を構築するというのだ。

授業で教えられたノウハウのメモを
毎日読み返す

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#最終話 「人生は壮大な喜劇」

#最終話 「人生は壮大な喜劇」

【前回の内容】↓

しつけ教室の扉を叩く。
「どうぞー」
と招き入れるトレーナーさんの声は明るい。

「失礼します」

入ると、付近に
布で覆いかぶさったクレートがあった。

ここにボナムがいる…
胸の鼓動が早くなる。

トレーナーさんから1ヵ月の経過観察
現在の状態の説明を受け
ついに、対面の瞬間が訪れた。

ボナムは、ちゃんと覚えているのだろうか。
緊張のあまり、大ツバを飲む。
ゴクリが大きす

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